ビーチ・ボーイズのマイク・ラヴ、結成50周年を記念した新作制作へ動いていると語る。年末には『SMiLE』復元も

ビーチ・ボーイズのマイク・ラヴ、結成50周年を記念した新作制作へ動いていると語る。年末には『SMiLE』復元も - 1966年作 『ペット・サウンズ』1966年作 『ペット・サウンズ』

今年結成50周年を迎え、おそらく再結成イベントをなにかしら行うのではないかと囁かれてきたビーチ・ボーイズだが、マイク・ラヴは現存メンバーが一堂に会した新作制作を進めていることをこの度明らかにしている。ただ、まだ企画している段階にすぎないので、実際に作品が世に出るのは2012年以降になるとも語っている。

「今の現状はというと、ブライアン(・ウィルソン)がいくつか曲を書いていて、ぼくもいくつか曲を書いている状態で、また一緒にやって曲も一緒に書いて新しい音を作らないかという話を真剣に詰めてるところなんだよ」とマイクはビルボード誌に語っている。「ブライアンは自分のツアーをやってるし、ぼくもビーチ・ボーイズとしてのツアーをやってるから、まだお互い顔を合わせられないでいるけど、今年の秋以降ならやれそうな感じなんだ。さすがに50年という大きな区切りがあると、また一緒になにかやろうっていうことも説得力を持つんだよね」。

マイクはまた、ブライアンも自身も音楽的にかつ歌詞的にも充分クリエイティヴだし、自分たちがそもそも世界中でヒットしたビーチ・ボーイズというサウンドを生み出したオリジネイターなのだから、一緒にまたかなり目を見張るような成果も残せるかもしれないとも語っている。

さらにマイクはビーチ・ボーイズがナンバーワン・シングルとなった1966年の“グッド・ヴァイブレーションズ”の22年後に“ココモ”をチャート1位に輝かせ、ナンバーワン・シングル間22年という最長でギネス記録を残していることについて触れ、ひょっとしたら2012年にもそんなことが達成できるかもしれないと指摘している。

作品の方向性としては誰がも思い描くようなビーチ・ボーイズのサウンドを期待していいものになりそうだとマイクは説明していて、ハーモニーも気持ちも思いっきり込められた作品になるだろうと語っている。本人たちとファンとでビーチ・ボーイズを祝福する作品なので「盛大なパーティみたいになるべき」作品だと語っている。

マイクはもちろん、ライブ・パフォーマンスの可能性についても触れていて、その場合にはやはりブライアンと同様にソロ活動に転じていたアル・ジャーディンも参加することになると語っている。つまり、マイクとビーチ・ボーイズとしてツアーしているブルース・ジョンストンともあわせて、今も元気なオリジナル・メンバーが全員揃うということだ。

その一方で、ビーチ・ボーイズとしては今年の年末にかけてついにあの失われた幻の傑作といわれる『SMiLE』を復元させる、CD2枚組による『The SMiLE Sessions』をリリースすることもマイクは明らかにしている。『SMiLE』はもともと『ペット・サウンズ』に続く作品として1966年から67年にかけて制作された作品だが、ブライアンの精神状態の悪化などがたたり、最終的にはリリースが放棄されてしまった作品。収録されていたさまざまなトラックはばらばらの状態で、その後のビーチ・ボーイズのアルバム数枚に収録されることになったが、今回マイクはそうした音源をすべてオリジナルの『SMiLE』の文脈に忠実な形でひとつにまとめたいと語っている。

「今考えてもみんなで床に仰向けになってマイクに歌い込むとか、そういうクレイジーなことばっかりやってて、なんか変だったんだよね」とマイクは当時のことを振り返っている。「これほど長く棚上げになったままの作品だし、断片がその後、浮上したりしてきたよね、“サーフス・アップ”や“英雄と悪漢”みたいにね。それがよりオリジナルに近い形で出されるとなったら、やっぱりいいかなって思うんだよ」。

さらにマイクは当時のバンドは100パーセントの力を出してきっていた状態だったから「かなり信じられないパフォーマンスとかも収録されているんだよね」と語っている。
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