マーティン・スコセッシ、ジョージ・ハリスン映画を語る

マーティン・スコセッシ、ジョージ・ハリスン映画を語る - 『George Harrison: Living in a Material World』『George Harrison: Living in a Material World』

マーティン・スコセッシ監督が手がけていたジョージ・ハリスンのドキュメンタリー映画『George Harrison: Living in a Material World』が10月にアメリカのケーブル・テレビのHBO局で放映されることが決定した。

作品は60年代のビートルマニアとビートルズ人気の絶頂の最中にありながらも、物質的な成功が必ずしも充実をもたらすものではないと人生の意味を求めて精神世界での探究を始めたジョージの姿を捉えることがテーマとなっている。

「ジョージは単純明快な生き方を探っていたんだよね。正直に、また共感をもって生きようとしていたんだよ」とスコセッシ監督はローリング・ストーン誌に語っている。「その道程は紆余曲折としたものだけど、それはそれでいいんだよ。ぼくはジョージはある理解に達したと思うんだよね。それは成功などというものは実はないと、ただ歩いていく道程があるだけなんだということだと思うんだよね」。

ドキュメンタリーに付き物の関係者の談話にも事足りず、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、オノ・ヨーコ、ジョージ・マーティン、トム・ペティ、エリック・クラプトンらがジョージをめぐる証言を提供しているというが、スコセッシ監督とスタッフ一同はむしろジョージが個人的にためてあった音源や映像をできるだけ使うようにもしたという。その結果、休暇を楽しむビートルズの姿、ジョージがラヴィ・シャンカールに初めてシタールのレッスンを受けた時の模様の音源、自宅スタジオで息子ダニーとふざけるジョージの姿を撮った映像などがふんだんに使われているという。

ちなみにポールは映画のなかでビートルズでは自分とジョン・レノンだけが重要だったと考えている人は大勘違いをしていると熱弁をふるい、リンゴは肺がんと闘病していた晩年のジョージを訪ねた時の話を回想しながら感極まってしまうという。

ソロ期のくだりではボブ・ディランやトム・ペティらと組んだトラヴェリング・ウィルベリーズのジャム・セッション風景や、1999年に自宅に侵入した男に包丁でジョージが刺された事件についての妻オリヴィアの回想などが紹介されているという。

放映と同時にオリヴィアは同名の書籍を刊行する予定で、本ではこれまで未公開の写真や日記の記述などが紹介されているとか。ドキュメンタリーについてオリヴィアは「マーティ(スコセッシ監督)が作り上げた作品には畏れおののいています」と絶賛している。「ジョージの本質を真に捉えた物語になっているからです」。
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