ミック・ジャガー、トム・モレロ、ルー・リードらが9・11同時多発テロ事件について語る

11日に10年目を迎えた2001年9月11日の同時多発テロ事件についてミック・ジャガー、トム・モレロ、ルー・リードらが振り返っている。

ミックは事件が起きた当初、多くの人がそう感じたように、自分のことなどあまりにもつまらないもののように思えてしばらくはなにもする気になれなかったと語っている。しかし、それでも人はどうしても現実とも向き合わなければならないとミックは語っている。

「自分のライフスタイルを完全にテロリストに変えられちゃだめなんだよ。それじゃあテロリストを喜ばせることになるからね。それだとテロリストの勝ちなんだ。もちろん、しばらくは嘆かなけりゃやってられないだろう。いつもよりどうしてもCNNを観っぱなしになっちゃうだろう。でも、最後には自分のやることをやらなきゃだめなんだよ」

トーリ・エイモスは次のように問いかけている。

「国が侵略されようと、人が侵されようと、自分の信じていたものが失われ、自分が傷ついて、するとこう問いかけざるをえないのね。『自由ってなにを意味するものなの?』ってね」

オノ・ヨーコは9・11同時多発テロ事件を契機にみんなで新しい現実を作り上げていかなければならないと語っている。テロリストも含めて人類は全員が揃って初めてひとつの身体となり、ひとつの思考となると語ってから、次のように指摘している。

「怒りや恐れから、自分で自分の腕を切り落とすようなことはしてはいけないとそう自覚するべき時代を迎えたのです。この身体はこれからも生きていかなければならないのですから。ガンディーの次の言葉は真実なのです。『目には目をということを繰り返していたなら、全世界は盲目になってしまう』」

トム・モレロは次のように警告している。

「残念なことに、一部の人々はこの凄惨な悲劇を口実にしてぼくたちの市民としての自由を踏みにじろうとすることになると思うよ。それは単純にいって許すことはできないことだよ」

フィッシュのギターとボーカルのトレイ・アナスタシオは次のように語っている。

「ぼくには答はわからないんだけど……この本当にひどい悲劇に遭って嘆き悲しむ家族らにできる賢いことと、敬意に最も値することは、なんでこんなことになったのか素直に理解しようとすることだと思うんだ。そうしたら、こんなことはもう防げるかもしれないよね……もうこれ以上、人々が苦しむのは見たくないからね」

アリシア・キーズは事件がもたらした影響についてこう語っている。

「時として、自分にとって大切なものってなんなのかって我に返って思い出すには、こういう最も悲劇的な状況に放り込まれないとできなかったりするのよね」

ジョン・メレンキャンプは事件の後にステージで感じた心境をこう振り返っている。

「ステージから降りた時にこう実感したんだよね。『亡くなった人たちの死は無駄ではなかった。残されたこの国がこれからは変わっていくんだから』とね。変わらなきゃならないんだよ。もう、浅薄な形で人と対面していくことはこれからはできないんだよ」

ルー・リードは「善は必ず悪から生まれる」としながら、誰もが感じた絶望は前向きなことをこつこつやり続けながら乗り越えるしかないと語り、ニューヨーカーとしての気概をこう語った。

「俺はニューヨークから出ていったりはしないよ。ほかの誰も同じさ。俺たちはここにいるんだ。俺たちは完璧なアメリカ人だからね。なぜって、俺たちはアメリカ人であるだけでなく、ニューヨーク系アメリカ人だからだよ」
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