U2のボノらのメッセージを収録したチャリティCMがイギリスで放送禁止に

U2のボノらのメッセージを収録したチャリティCMがイギリスで放送禁止に - U2 1983年作『WAR(闘)』U2 1983年作『WAR(闘)』

貧困やエイズ撲滅、飢饉の救済のために活動するU2のボノのチャリティ団体ワン(One)だが、アフリカへの支援を訴えようと製作したテレビCMが政治的な主張を訴えてはならないというイギリスの放送規制に引っ掛かって放送禁止処分を受けている。

問題のCMはワンの「ハングリー・ノー・モア」キャンペーンの一環として製作されたもので、アフリカで飢饉にさいなまれる地域へ各国の政府が正面から取り組むようにと訴える内容のもの。『The F Word』というキャッチ・コピーをタイトルにしたこの映像にはボノのほか、ジョージ・クルーニー、コリン・ファレル、クリスティン・デイヴィスが登場してそれぞれにメッセージを伝えているが、イギリスのコマーシャルの放送審査を行う団体であるクリアキャストはこの映像がイギリス放送法に抵触していると明らかにしている。

クリアキャストの広報は「この法律によって完全に、あるいは部分的に政治的な目的を伝えようとしている組織や団体の広告がイギリスの電波で放送されるのを防いでいます」と説明している。「しかし、この広告に登場する出演者のひとりは自分たちの存在理由が政治的指導者に圧力をかけることにあると発言していて、そのことで、この法律に触れているように思われます」。

「またこちらで試写したバージョンの広告では、政治的な目的をもって語られている発言がいくつかあり、これもまたこの法律に違反しています」

一方、ワン側は広告が放映されないのは「馬鹿げている」としていて、ワンのヨーロッパ局長のエイドリアン・ラヴェットはワンは政治団体ではないし、ほかの政治団体や政党との関係もまったくないと反論している。

「イギリスのテレビから政治プロパガンダを排除するための放送規制の役割はよく理解していますが、わたしたちがこの広告で訴えているのはアフリカ東部で現在75万人もの人々が絶望的な状況に瀕していて、国連の警告によれば、その全員が年内に餓死してしまう危険もあるということなのです」

ラヴェット局長はクリアキャストが審査結果をあらためることを望むと語ったが、クリアキャスト側は政治的広告規制を無視して許可の下りなかった広告を放送した放送局に対しては、放送監視団体であるオフコムを通して罰金を徴収するだけでなく、放送事業免許の剥奪という処分で臨む場合もあるとしている。


(c) NME.COM / IPC Media 2011
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