ジョン・ライドン、『アメリカン・アイドル』などのオーディション番組は屈辱的と批判

ジョン・ライドン、『アメリカン・アイドル』などのオーディション番組は屈辱的と批判

待望の20年ぶりの新作『This is PiL~伝説をぶっとばせ』を7月4日にリリースするパブリック・イメージ・リミテッド(PiL)のジョン・ライドンは『ザ・ヴォイス』や『アメリカン・アイドル』などのオーディション番組について「観ているだけで屈辱的だ」とこき下ろしている。

ロイター通信に『ザ・ヴォイス』の様な番組についてどう思うかという問いにジョンは次のように答えている。「ああいう番組は俺たちをまた誰もがラスヴェガスに憧れた時代に引き戻そうとしてるんだよ。そして投票で蹴落とされていく参加者たちの屈辱の痛々しさとそれを嘲笑することを売りにしてるわけでね。しかも、今じゃ人々がそれこそが音楽世界の内実だなんて思ってるんだぜ。それもまたモラルを腐らせるものだよ」。

その一方でジョンはレコード会社の業績不振と現状について同情すべき余地はないとも答えている。「レコード会社がばらばらに解体されてしまったのは、当然の報いなんだよ。彼らの退廃して、すべてに縛りをつけていくナンセンスなやり方はいつかもう止まらなきゃならなかったんだよ。でも、今時のサンプリングや古いアイディアの使い回しもまた健全なものとは言えないよ。やっぱりライヴ・ミュージックが健全なものなんだよ」

また、PiLとしての20年のブランクについては次のように語っている。「俺が好んでそうしたわけじゃないからね。レコード会社と契約のせいで、自分の権利を主張できない状況に陥っていて、こうした状態の期限が切れるのを待たなきゃならなかったんだよ」

「俺には本当にしんどい時期だったし、ほとんどメンタルな飢餓状態に陥らざるを得なくなったんだよ。仕事がしたいって猿轡をされてもがいてる状態で、おまけに俺の人生なんて音楽しかないんだからね。でも、やがて法律が俺を阻んでいるということ、さらにはレコード会社やその会計士たちが俺の敵だということを俺は思い知らされたんだよ。おかげでビジネス面についてはものすごくネガティヴな見方を俺は持つように至ったんだ。毎度のことだけどね」

なお、5月28日に再リリースされたセックス・ピストルズの1977年に大ヒット・シングル"ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン"をチャート1位にしようとするキャンペーンについてジョンは 「こうしたキャンペーンはそもそもセックス・ピストルズがなにを代弁していたのかということをまったく見えなくしてしまうものでしかない」と、自分とはまったく関係ないものだと一蹴している。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
公式SNSアカウントをフォローする
フォローする