ゆず@代々木競技場第一体育館

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「俺たちの楽曲は永遠にみんなのそばにあり続けます」――1月13日にアルバム『TOWA』をリリースした、ゆずの国立代々木競技場第一体育館3DAYSファイナル。そこで北川悠仁が告げた言葉には、切実なほどの熱い思いが込められていた。「まずはライヴで新曲を聴いて、そしてリリースに向けて育てていってほしい」という思いから、アルバムリリースに先駆けて全国ツアーを実施してきた彼ら。その終着点となるこの日のステージで見えたのは、自分たちの音をライヴで届けるということに熱い情熱を燃やすゆずの真髄だった。

ゆず@代々木競技場第一体育館
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アルバムを出すたびに、舞台設計や演出も含めて作品の世界に沿ったライヴを作りあげているゆず。今回は『TOWA』にちなみ、「永遠」や「時」をテーマにしたコンセプチュアルな世界を構築していた。ステージ上には巨大な時計らしき舞台セットが築かれ、開演前には「時の番人」を名乗る案内役が登場。「ゆずと共に永遠なる時の旅に行きましょう」という開会宣言からライヴは幕を開けた。

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1曲目は“かける”。≪一人じゃない≫という歌い出しの一声から、陽性エネルギーの塊のような北川&岩沢厚治の歌声が、会場の隅々まで眩い光を届けていく。ホーンやストリングスも加わった面々によって紡ぎ出されるアンサンブルも実に華やか。最初のMCで北川の口から「この日がゆずにとって通算500回目の公演」であることが告げられると、オーディエンスから温かな拍手が沸き起こる。その後は500回記念の祝祭感も手伝って、場内のヴォルテージはみるみる高揚。“T.W.L”では客席中のタオルが回り、“少年”ではトロッコに乗った北川&岩沢がアリーナ中央に移動して演奏。「一緒に歌ってください」と2人だけの弾き語りで披露された“栄光の架橋”では、盛大な大合唱が響きわたるのであった。

ゆず@代々木競技場第一体育館
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最新アルバム曲を軸とした中盤では、舞台セットや演出を駆使したコンセプチュアルな世界を構築。舞台セットの上から歌声を届けた“いつもの病気”“いっぱい”“みそら”では、まるで絵本や紙芝居から抜け出たような寓話的でファンタジックな世界がソフトな音像によって築かれていく。一方、西部劇、時代劇、ギリシャ神話の登場人物に扮した北川&岩沢によるパロディー映像から“た Ri ナぃ”に突入すると、一気に紀元前にタイムスリップ。2頭の恐竜がステージで暴れ回る中、ハードエッジな音塊が叩きつけられていくのであった。しかし、何より圧巻だったのが、未曾有の光が駆け巡った“TOWA”に始まり、“ポケット”を経て、壮大なファンファーレが鳴り響く“二人三脚[Album Session]”へと至った流れ。切迫感のある歌声がどんどん包容力を増しながら、未来に向けて大きく羽ばたいていくような2人の歌声は本当に素晴らしかった。これこそ、「ライヴで曲を育てたい」という思いのもとに昨年10月から行ってきた全国ツアーの賜物といえるのではないか。

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“夢の地図”“アゲイン 2”“夏色”などの定番曲で弾けまくった後、北川は冒頭の言葉を告げた。さらに「ゆずの音楽は永遠に鳴り響きます。そのために俺たちは永遠にゆずをやり続けていきます」とも付け加えていた。そこには、「永遠」に愛される音楽を作って満足するのではなく、ライヴという場で音を鳴らし続けることで、「永遠」に聴き手のそばにあり続けようとするゆずの姿勢が表れていたと思う。今年10月にはデビュー20周年イヤーに突入する彼ら。それを記念した弾き語りライヴ「ゆずのみ」を11月26・27日に東京ドームで開催することも発表した。バンド編成であろうと、弾き語りであろうと、ひとつひとつのライヴに全力で向き合うことで永遠にダイナミックな音を鳴らし続けようとするゆずの旅。その道筋を照らすように、クライマックスでは“終わりの歌”の眩いファンファーレが鳴り響いた。(齋藤美穂)

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●セットリスト

01. かける
02. LAND
03. T.W.L
04. 少年
05. 栄光の架橋
06. シュビドゥバー
07. いつもの病気
08. いっぱい
09. みそら
10.た Ri ナ ぃ
11. 逢いたい
12. TOWA
13. ポケット
14.二人三脚[Album Session]
15. 夢の地図
16.アゲイン 2
17. 夏色
18. OLA!!
19. 終わらない歌
20. ツアーおつかれさまのうた
21. 終わりの歌
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