出演したのは、東京出身の2003年生まれ・FUJIBASE。北海道ニセコ出身の2005年生まれ・REJAY。そしてアメリカ出身の2005年生まれ・Rol3ert。
三者三様のルーツとバックグラウンドを持ちながら、いずれもグローバルスタンダードなサウンドに乗せて、主に英語で自らの想いを歌にするシンガーソングライターだ。
彼らの音楽には、「英語で歌う」ことへの構えや意図を感じさせない自然さがあった。
洋楽への憧れでも、邦楽への反発でもなく、自分の中から湧き上がる感情に最もフィットする言葉が英語だった──そんな必然を感じる。
日本語の母音の重たさから解き放たれたサウンドは、ビートやギターリフを軸に快楽的なうねりを生み出し、フロアを静かに包み込んでいく。
FUJIBASEは爆発的なエネルギーとともにステージを支配し、REJAYは憂いと透明感を併せ持つ歌声で観客を惹き込み、Rol3ertは地声とファルセットを自在に行き来しながら風のような心地よさを生み出していた。
その一音一音が、言葉の意味よりも先に「感覚」として伝わってくる。
藤井 風による全編英語詞アルバムのリリース、日本人アーティストの海外公演の成功など、音楽が国境を越えることがよりリアルになった今。
彼らのパフォーマンスから感じたのは、「どこの国の言葉で歌うか」ではなく、「自分がどんな景色を見せたいか」という視点で音楽を選び取るしなやかさだった。
その自由な立ち姿に、日本のポップシーンの未来を見たような気がした。(畑雄介)