オフスプリング、地元でファン20人足らずを招待して行なわれた超限定イヴェントの模様をレポート

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6月27日に4年振りとなるニュー・アルバム『デイズ・ゴー・バイ』をリリースするオフスプリングだが、先日、地元ハンティントン・ビーチでわずか30人足らずのファンを招待して、リハーサルを公開するスペシャル・イヴェントを行なった。

その模様を、プレス関係者としては唯一会場に入ることができた鈴木美穂によるレポートをお送りする。

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オフスプリングがヨーロッパ・ツアー前に超限定数のファンを招いてリハーサル・イベントを行った。バンドの地元であるカリフォルニア州ハンティントン・ビーチの近くにあるスタジオでファンとバンドの友人/家族と関係者全部入れても30人弱という至極アットホームなイベントで、プレスは自分のみ。文字通り潜入したような気分だ。一番ファン歴の長そうな女の子にどうやってこのイベントに入れたのか聞いたところ、バンドのウェブサイトにこのイベントに参加したい理由をEメールで送って選ばれたと教えてくれた。

スタジオの入り口で耳栓をもらって部屋の中に入ると、サウンドボードの前と左右に椅子が並べてあってそのすぐ前に3本のマイクが置かれている。ありえないぐらい近い。スピーカーもあるけれどアンプから出てくる音を直接聴く感じだ。誰もが大人しく椅子に座ってバンドを待つこと数分、「やあ、みんな!」と陽気に歯を見せつつデクスターが登場。そしてヌードルス、グレッグKが続く。3人の後ろにはドラムのピートともう一人のギタリスト。デクスターがヌードルスに「こういうことするの、初めてだよね」と言うと、「もし俺が失敗しても、これはあくまでもリハーサルだからね!」とヌードルスが言って皆の笑いをとる。アンプの上にはしっかりビールが用意してあった。

一曲目は、新作からのファースト・シングル、“Days Go By”。目の前でヌードルスがパワフルにギターをかき鳴らし、ドラムとベースのリズムが体に直に響く中、デクスターのヴォーカルが真っすぐこっちに向かってくる。近すぎて音が荒いが、もの凄い臨場感だ。続いて披露されたのは、"All I Want”のように疾走感のあるギターとメロディが最高に心地いい新曲“ザ・フューチャー・イズ・ナウ”。途中でピアノのサウンドが入るのだが、終えた後でデクスターが「あのピアノはどっから来たんだ?」と冗談を言って皆を笑わせた。オフスプリングはいつもユーモアのあるバンドだけれど、今まで見た中で一番肩の力を抜いて楽しんでいる感じがする。「この曲は新曲で、日本と、この間のAlex's Barでやっただけだから、3度目だよ」と、教えてくれた。その後は“You Are Gonna Go Far, Kid”、『イグニション』から“Dirty Magic”、そして“Self Esteem”、“The Kids Aren't Alright”(サビの部分はファンに任せて大合唱)が披露された。

予定ではパフォーマンスは30分で、あとはQ&Aが15分設けられることになっていたのだが、初めての公開リハ、やってみて意外に楽しかったのではないだろうか、デクスターが笑顔で「どうする?」とヌードルスの方を見る。勿論ファンからはアンコールの声が上がる。「何やって欲しい?」とデクスターが尋ねると、パフォーマンスの間中エアドラムをやっていた少年が「カウベルがあるから、“プリティ・フライ”は?」と提案。デクスターは露骨に「それはない」というような顔をして「これは特別なショウだしさ」とぼそっと言う。少年が「そうだね、あれはコマーシャルすぎるね」ともっともそうな返事を返す。結局、デクスター自らの提案で、“ワン・ファイン・デイ”が演奏されたのだが、彼は曲を終えた後、こう語った。

「この曲は、日本だけでプレイする曲なんだよ。俺たち、海外の色々な国にツアーにいくけど、国によってプレイする曲が違ってさ、この曲は日本でやるだけで、ここではやらないから、知られてないと思う。何でか分からないけど、日本で人気なんだよね。逆に“セルフエスティーム”は日本じゃあまり人気ないんだよ」。


日本人に見える私がファンの中に混ざっているのに気を使ってくれたのかどうかは知らないが、面白いエピソードだ。確かに“ワン・ファイン・デイ”をアメリカで聞いたことはなかった。

「で、俺たち、ツアーに出る準備は出来てるかね?」とヌードルスがビールを飲みつつ言って、再び皆の笑いをとる。彼は自分のキャラを良く分かっている。デクスターが「まだ続ける?」と聞くと、「いいよ、俺はただビール飲んでタバコ吸いたいだけだから」と答え、デクスターが「だからお前はバンドやってんだよね」と返す。グレッグはいつもの通り何も言わないけれど横でそんな2人を見ながら笑顔になっている。この後もアンコールは“Burn It Up”(『イグニション』収録曲)、“Stare At The Sun”、と続き、最後は“Bad Habit”で締めくくられた。最後まで圧倒的にタイトなパフォーマンスで、現在のバンド内のいいエネルギーがとても良いものであることが伝わって来た。新作にも期待大だ。

リハーサル後はスタジオの外にタコスのトラックが待機していて、全員に振る舞われた(配膳テーブルにはさりげなくデクスターのホットソースが)。そしてメンバー達も全員出てきてタコスを食べ、しばらくファンと語らっていた。オフスプリングの素の姿を垣間みられた本当に貴重なイベントだった。
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