10月10日にMDNAツアーのロスアンジェルス公演を行ったマドンナだが、ライヴ中にタリバンから銃撃を受けたパキスタンの14歳の少女のために曲を捧げた。
パキスタン北西部の町に住むマララ・ユスフザイはかねてからブログで女子教育の重要性やタリバン批判を行ってきたが、9日に通学バスで通学中にタリバンの男数人にバスを止められ、マララを特定して銃撃を頭部に受けた。マララは軍の病院に担ぎ込まれたが、意識不明の重体に陥っている。
「この話にわたしは泣いたの。この子は学校に行くことをブログに書いただけの女子学童よ。タリバンはそのバスをわざわざ止めてこの女の子を撃ったんだから。これがどれだけ病的な行いかわかる?」
それに続いてマドンナの「教育を支持して! 女性を支持して!」という呼びかけにオーディエンスも歓声で応え、その後、衣裳を脱ぐとマドンナの背中には「マララ」と書かれてあり、「この曲をあなたに捧げるわよ、マララ」と"ヒューマン・ネイチャー"の演奏に入った。
マドンナは今回のMDNAツアーをオバマ大統領への支持を表明したり(大統領を「ブラック・モスレム」呼ばわりするなど落ち度もあったが)、ロシアで拘留中のプッシー・ライオットへの支持を表明する場としても使ってきているが、10日のライヴではプッシー・ライオットの残りのメンバー2名はまだ投獄されたままだとオーディエンスに喚起している。
「わたしがこうして旅していて思うのはアメリカ人であることでどれだけ幸運だったということでね。確かにこの国だって完璧ではないし、わたしたちの政府だって完璧ではないわよ。でも、ウクライナやロシアで目撃した惨状を考えればね。プッシー・ライオットのメンバーの残りふたりはまだ釈放されてないんだから。サンクトペテルスブルグでは男性75人がゲイであるかっていう理由で逮捕されてるのよ」
なお、マドンナは自身のゲイやレズビアンへの支持がサンクトペテルスブルグの倫理の低下をもたらしたとして慰謝料105万ドル(約8億3千万円)を要求する訴訟をロシアで起こされている