ザ・フーのピート・タウンゼントは最近テレビのリアリティ番組をよく観ていたところ、大きく気づいたことがあると次のように『ザ・サン』紙に語っている。
「この間、新しい補聴器を手に入れて、それをつけてテレビを観ていたんだよ。それで俺もようやくわかったんだけど、テレビって今じゃもう聴くもんじゃないんだよね。居間などで座ってテレビを観ながら、自分がなにをやるかって言ったら、『なんて嫌な女だ、このバカ野郎、クソ女め、この女も使えねーな、この娘は素晴らしい、よし、この娘に投票しよう』ってただ叫び続けるだけなんだよ」
「こうやってまったく新しいテレビの観方が作り出されたんだね。リアリティ番組というのは、実はそれを観ながら自宅のテレビの前で繰り広げられていることの方が重要なんだよ」
さらにテクノロジーがどれだけミュージシャンから才能を奪ったかを次のように語っている。
「音楽作りが機械化したっていうことはそれだけたくさんの人がやれるということなんだよ。テクノロジーによって、大きな才能に恵まれてなくても音楽を作れるようになったわけさ」
「レディー・ガガが成し遂げたことというのは、俺たちみんながすぐに中に入り込めるようなアイコン像を作りだしたということなんだ。彼女自身がひとつの物語になっていて、観るにも楽しいわけだ。宇宙から来た見世物って感じなんだよ」
なお、ザ・フーは1月28日から『四重人格』のアメリカ・ツアーを再開しているが、ロジャー・ダルトリーはまだまだ現役感を持てていることを次のように語っている。
「形だけをなぞるようなものになって、俺たちを突き動かしてるものがなくなったら、それはきっとすぐに自分たちにわかると思うんだ。やるとしたら、そうなった時だよ。でも、まだまだなくなっちゃいないんだよ」