メタリカ、ストリーミング・サーヴィスに楽曲を提供したら、アルバム・セールスが35パーセントも減少
2013.02.01 18:00
メタリカはストリーミング・サイトのスポティファイにカタログの楽曲を提供してからアルバム・セールスが落ち込んでいることが明らかになっている。
2008年のクリスマスから12年の年末までにビルボード誌がまとめた数字を見直すと、バンドがスポティファイに楽曲を提供し始めた1週間後の12年12月6日にアルバム・セールスは15パーセント落ち込み、その2週間後に落ち込みは35パーセントを記録している。
メタリカのマネージャーであるQ-プライムのクリフ・バーンスタインはこの減少についてニューヨーク・タイムスに対して次のように説明している。
「場合によってはアルバム・セールスが100パーセント食われてしまうケースも考えられるわけで、その場合にはストリーミング購買サーヴィスの代金で稼ぐことになるわけです。世界的にストリーミングの購買者が2000万人に達した時点で、その分岐点がくると読んでいるんですけどね」
スポティファイの主要出資者となっているショーン・パーカーは、フェイスブックを学生ヴェンチャーからメジャーなIT企業への飛躍を実現させたブレーンとして活躍したことで知られているが、そもそもパーカーはファイル共有ソフト、ナップスターを開発し、音楽ファイルの共有で一大ブームを巻き起こしたことでも知られている。このナップスターを相手取って初めてアーティストとして訴訟を起こしたのがメタリカで、その後、全米レコード産業協会から訴訟も起こされ、ナップスターは操業停止に追い込まれることになった。メタリカのスポティファイへの楽曲提供の合意は、そのパーカーとメタリカの邂逅を意味する出来事だったといえる。ヨーロッパとアメリカでサーヴィスを展開しているスポティファイは現在500万人の有料購買ユーザーを抱えているという。
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