ジョン・レノンが最初に買った車だという、1965年型のフェラーリ330GTクーペがオークションで売りに出されるという。

ジョンは1965年2月に運転免許証を取得すると、これだけで大きなニュースとなり、ジョンと妻のシンシアと息子ジュリアンがサリー州ウェイブリッジに構えていた地所の外では、さまざまなディーラーが車の売り込みに殺到し、通りがそのままマセラーティやオースティン・マーティン、ジャガーなどの高級車の見本市と化したと『ザ・ガーディアン』紙が伝えている。

にわか高級車市を見分したジョンは、その中でも500台しか作られなかったというこのスカイブルーのフェラーリ350GTクーペを気に入って買い上げて、これがジョンの最初の車になったとか。ジョンは当初この愛車を6500ポンド（1965年当時のレートで約661万円。当時のカローラの価格は約49万円）で購入し、3年間の間に3万キロほど乗り回したという。今回のオークションではおよそ22万ポンド（約3500万円）の値をつけるのではないかとされている。

ジョンは運転好きで知られていたが運転の腕前はさほどでもなく、1969年にはスコットランドへオノ・ヨーコとヨーコの娘キョーコとジュリアンとで遠出に出た際、この時乗っていたオースティン・マキシで用水路に突っ込むという事故を起こしている。

なお、今回のクーペは現在のオーナーが入手した際にはスカイブルーから、350シリーズがよく塗られる赤に塗り替えられ、ジョンが取得したライセンス・プレートも失われていたが、現在ではもとのスカイブルーに戻され、「DUL 4C」というライセンス・プレートも復元されている。今回のオークションを取り仕切るボーナムズでは次のようにこの車について説明している。

「ジョンが自分の最初の車となったこの車を買うのに自宅からほとんど出なくてよかったというのは、ビートルマニアならでは神話のひとつですね」

今回売りに出されるフェラーリ330GTクーペはこちらから→
http://www.bonhams.com/press_release/13555/