ザ・ローリング・ストーンズのキース・リチャーズは70年代に試した様々な薬物の実験もいずれ終わらなければならなかったと語っている。
『メンズ・ジャーナル』誌の取材を受けたキースは、ロックンローラーとしての自身の半生やジャンキーとしての経験を2010年に刊行した自伝『ライフ』で綴ったが、たとえば自身のキャラクターについてキースは次のように語っている。
「みんな俺がマンガかなんかだと思ってるんだよな! つまり、『キース・リチャーズ』っていうことになったら、今じゃみんなの間に了解事項があるっていうようなさ。でも、みんなの想像力をかきたてるようなら、それはそれで嬉しいよ。昔のキースになって、今の俺のことを徹底的にいじり倒してやりたいところだよな。でも、俺のことを知っている人が何百万人いたとしたら、俺についての意見ってそれだけバラバラなんだろうね」
さらにかつての薬物癖が自身にはなんの危害も及ぼしていなかったことを次のように説明している。
「かつてチャーチルが酒について語ったことと同じなんだよ。つまり、『自分の身体から流れ出たアルコールよりも摂取したアルコールの量の方が全然多い』っていうね。薬物なんかについても俺は同じような思いを抱いてるんだ。なんかしらのものとして結実したんじゃないのかなってね」
また、自身の薬物癖について純粋に化学物質を使うと、創造性にどれだけ影響するのか確かめたかったという好奇心が働いていたことをキースは説明していて、完璧なロックンロール・カクテルを探求していた錬金術師のようなものだったと語っているが、「どんな実験も終わりがいずれ来るものなんだよ」と明かしている。
さらに自身からミックに対して謝罪を申し入れた自伝『ライフ』については内容そのものには齟齬はないと次のように語っている。
「ミックは意図的に腹立ててるんだよ。でも、俺は校正刷りの時点でちゃんとミックに内容を送り付けてるんだからね。あそこで語られてることで嘘なんてひとつもないんだからさ」