カニエ・ウェストの新作『イーザス』のレコーディングについてリック・ルービンが語る

カニエ・ウェストの新作『イーザス』のレコーディングについてリック・ルービンが語る

7月10日に新作『イーザス』をリリースするカニエ・ウェストだが、アルバムのプロデューサーを務めたリック・ルービンがカニエとのコラボレーションについて『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に語っている。

リックによれば、カニエがカリフォルニアにあるリックのスタジオに音源を持って現れたのはレーベルのデフ・ジャムに音源を納品する締切の3週間前だったという。音源は3時間分ほどあり、音源はどれも「粗っぽく」「力強かった」が、「すっきり絞られていなかった」とリックは語っている。

音源の大半はまだヴォーカル入れもされておらず、歌詞もできていなかったそうで、聴いた印象では仕上がるまであと数か月はゆうにかかると思ったとリックは言うが、聴かせてもらった音源をすべて俎板に乗せて一緒に仕上げてほしいという要請を受けてリックは話に乗ることにしたという。

その後、締切まであと数日という段階でヴォーカル入れや歌詞の執筆が必要な曲がまだ数曲残っていたというが、カニエは「心配しなくても平気だよ。第4クォーターで40点ぶちこむくらいの勢いでやってやるから」と豪語し、事実それをやってのけたとリックは語っている。

「それから飛行機の便に間に合うまでの2時間の間にそれをやってのけたんだよ。歌詞を全部書き上げて、嬉々としてパフォーマンスしてみせたんだ。ものすごい芸当だよね。あのプレッシャーの中でも仕事をやりきる自信がカニエはあったんだよね」

なお、作品におけるリックの役割は、なるべく無駄を削いでいくミニマリズム的な指針をカニエに与えることにあったとリックは次のように説明している。

「その典型的な例が"Bound"となった曲になるかな。この音源をカニエが初めてぼくに聴かせてくれた時、これはまだ普通のR&Bになっていて、アダルト・コンテンポラリーなサウンドになっていたんだよ。カニエには、そういう音と自分が探してきて気に入ってたかなりイケてるサンプリングを組み合わせたいというアイディアがあったんだけど、ぼくはR&Bの要素の方をすべて削って行って、コーラスでは単音のベースラインだけを残してスーサイドのようなエッジをカニエと作り出していったんだよ」
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