マニック・ストリート・プリーチャーズはイギリスの極右団体イングランド防衛同盟がバーミンガムで行うデモに向けて無断でマニックスの"If You Tolerate This Your Children Will Be Next"を使っていたことをめぐって、法的手段に訴えることを明らかにしている。
"If You Tolerate This Your Children Will Be Next"は1998年の『ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ』収録曲で、「If You Tolerate This Your Children Will Be Next(これを辛抱してしまったらきみの子供たちが次の犠牲者になる)」とはスペイン内戦(1936-39)の時の反ファシスト勢力のスローガンとして使われていたものだが、この曲をイングランド防衛同盟は自ら呼びかけているデモの宣伝ヴィデオで使っているという。この曲にはまた「自分にうさぎを撃ち殺せるのなら/ファシストだって撃ち殺せる」という有名な歌詞も含まれている。
ファシストに反対するミッドランド西部連合の代表のマイケル・ウォングサムは次のように声明の中で説明している。
「人種差別とファシズムを推し進めているイングランド防衛同盟がファシスト批判を歌っているマニック・ストリート・プリーチャーズの"If You Tolerate This Your Children Will Be Next"を使っていることにわたしたちも呆れています。この曲のタイトルは、人種差別とファシズムに反対するヨーロッパ中の人たちがスペインに集結してスペインがフランコなどのファシストに乗っ取られていくのに抵抗したスペイン内戦で使われた、反ファシスト・スローガンからもともと取られたものなのです」
さらにウォングサムは7月20日にファシストに反対するミッドランド西部連合が対抗デモを行うことも明らかにしている。
「バーミンガムは団結した、多民族による平和的なコミュニティであって、人種差別主義者やファシストのゴロツキらがイスラム教徒やほかのマイノリティに嫌がらせをするのを見過ごすわけにはいかないということを示すためにも平和的な対抗デモで応じたいと思っています」
マニックスの広報は、この曲がヴィデオを使われていたのを知ってバンドは仰天したと語っていて、まずはヴィデオを即刻取り下げるように団体に要求しているという。
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