リック・ルービン、自身の人生や仕事、瞑想について語る

リック・ルービン、自身の人生や仕事、瞑想について語る

ビースティ・ボーイズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ジェイク・バグなど80年代中盤から現在まで第一線のプロデューサーとして活躍してきているリック・リービンが瞑想の賞で表彰されたという。

表彰を行ったのはビートルズに瞑想を教えたことで知られるマハリシ・マヘーシュ・ヨーギが打ち出した超越瞑想をホームレスや復員軍人など、瞑想を必要としている人たちに広め振興させている活動団体「デイヴィッド・リンチ基金」で、今回リックは生涯調和賞を受賞した。

『ローリング・ストーン』誌の取材に応えたリックは超越瞑想との出会いを次のように語っている。
「14歳の時、学校に行くと首が痛くなるようになってから、かかりつけの医者に診てもらったんだよ。この医者は出産の時に俺を取り上げてくれた医者だったんだけどね。あの頃にはすごい見識だと思うんだけど、首の痛みはストレスからくるものだから、瞑想でも習ってきなさいって言われたんだ。そう言われながらね、『親父とおふくろは嫌がるだろうなあ』と思ったのをよく憶えてるよ。でも、実際には『お医者さんがそう言うならしようがないわね』っていう話になったんだ」

リック自身も瞑想には興味があって、「俺は熱狂的なビートルズ・ファンだから、(瞑想は)ビートルズ繋がりがかなり強いものだし、ビートルズが関わってたようなことはなんだって学んでみたかったんだ」と説明している。超越瞑想からどのような影響を受けたかをリックは次のように語っている。

「首の痛みにどう影響したのかはもうよく憶えてないんだけど、自分の人生についてはすごく影響したね。14歳からニューヨーク市立大学に行ってた頃までずっとやってたんだよ。その後やめたのは、俺なりの自分探しだったわけだよ。瞑想は俺がまだ実家で暮らしてた頃の生活と関わってたものだから。ほかの家族は誰もやってなかったけどさ。

カリフォルニアに移ってからは、5年ほどやめていた超越瞑想をまた始めることにしたんだ。実際に始めるまでに数か月かかったな。なんかすごい一大決心のようにも思えたからね。でも、最初の瞑想をやってみて、俺は瞑想を通した経験によって形作られた人間だったということがよくわかったんだ。俺の周りの多くの人間が気づこうとしない、あるいはできないような深いところにまで理解が及ぶことができるようになると感じるんだよ」

特にプロデューサー業への影響については「一緒に働いているアーティストとよく関われるようになるんだ。超越瞑想によってよき聴き手になれるんだよ。それはこの仕事にはすごく重要なことなんだ」と語っている。

「アーティストにも瞑想は勧めてるし、セッションの前に瞑想を行ったアルバムも作ったことはあるよ。(レッド・ホット・チリ・ペッパーズの)『カリフォルニケイション』ではすべてのセッションの前に瞑想を行ったよ。メンバーのうち2人は必ず参加して、それがたまに3人になって、ごくまれに4人ということもあったね。

音楽を作る前にはいろんな要らないことや雑念を考えてる人が多いんだよ。超越瞑想はそれを吹き飛ばしてくれるから、手元に託されている仕事のなんたるかがしっかり見えてくるんだよ。マネジメントが希望していることとか、レコード会社が要求していることとか、ラジオ局のキーパーソンがどう思うかとか、そんなことは忘れてね」

なお、自らプロデューサーを務めたカニエ・ウエスト『イーザス』については「あんなヒップホップ的でないアルバムを作ったカニエがどれだけ果敢だったか、俺はそこが大好きだね。ものすごく過激な作品だし、そんなカニエを俺はとても誇りに思っているよ」と語っている。
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