パール・ジャムのマネジメントの元スタッフがバンドの資金を着服した問題で、このスタッフに1年2ヶ月の禁固刑が2月28日に言い渡されたと『ザ・シアトル・タイムズ』紙が伝えている。問題のスタッフのリッキー・チャールズ・グッドリッチは昨年12月に38万ドル(約3870万円)ものバンドの資金を着服したことを認めていた。
グッドリッチは2010年9月に懲戒解雇となっているが、05年にパール・ジャムのマネジメントを任されている事務所に加わり、経理の主任を任されることになった。グッドリッチは昨年6月に33件の横領疑惑で訴えられているが、検察はグッドリッチが横領した資金をグッドリッチと妻が抱えていた借金の返済に充てていたほか、休暇の資金やワイン購入など個人的な遊興費にも使っていたとしている。また、事務所も09年の時点でグッドリッチの仕事ぶりに疑念を抱いていたという。
その後、2010年5月のツアーの後、グッドリッチは自身が担当していたツアーの経理について帳簿の矛盾を問い質されることになり、グッドリッチが「ツアーの仮払い」として処理していた1万5千ドル(約153万円)を不正に着服していたことが明らかになっていた。グッドリッチはバンドのマネージャー、ケリー・カーティスの署名を偽造してバンドからの融資として着服していた4万5千ドル(約460万円)をその後、バンドに返却した後に10年9月に解雇され、11年1月から警察が捜査を始めていた。検察は12年にグッドリッチを訴追し、グッドリッチは6件の重罪窃盗の罪状を認めることになった。
なお、ロジャー・ロゴフ判事はグッドリッチが資産を整理し、バンド側への返済をできる限り進めるよう判決の言い渡しを2週間先送りにしていたという。グッドリッチは罪状を認めた時点で12万5千ドル(約1275万円)をすでに返済しており、判決の前にさらに18万1千ドル(約1840万円)の返済にも応じるとしていた。グッドリッチは3月14日から服役するという。