メニュー
18:55~ 新曲多発! 驚愕のトリ・グレイプバイン
8/2 21:30 UP
レイク・ステージではいよいよ最後のアーティスト、トリのグレイプバインが登場。紫に照らし出されたステージにメンバーが登場すると大きな歓声。しかし、1曲目のイントロが聞こえると、更に大きな歓声が――“スロウ”。セカンド・アルバム『LIFETIME』に収録されたこの曲にオーディエンスは大盛り上がり。サビでは数々の腕が高く上がる。しかも、田中の歌がいいのだ。いいライヴをやるときのグレイプバインは、田中の声が太い。羽根が生えたように軽さを持つ田中の声に中音域の太さが加わる。なんてことを考えていたら、ハイハットのカウントから鳴らされたのは“羽根”。そして、次が“白日”。初期の名曲の連打に号泣。レイク・ステージの黒い山も上下に揺れる。このまま以後の曲になだれこむのかと思いきや「新曲やります」というMCと共に始まったのは、なんと3曲もの新曲!
まず1発目はミドル・テンポのバラード調。文学的で細やかな描写の多いバインの曲のなかでは珍しい、「どんなに忙しくても会いに行ってしまう」という、心情が素直に綴られたラヴ・ソングだ。2発目はバインならではのグルーヴと混沌がありながら一段と大きくなったスケール感を感じさせるロックンロール。そして、不穏なシンセ音とギターのアルペジオから始まってディレイのかかったギターが渦巻く音響的アレンジの“波音”を挟んで、また新曲。この曲がすごかった。その音響的アレンジの“波音”と近い曲調で「ガラス」という歌詞が何回か出てくるのだが、ほんとにもろくて壊れそうなのに、終盤では力強いディストーションがつんざいているのだ。今までのバインにはなかった、もう一つの新しい世界。それを僕はこの曲で見た気がする。そして、最後は『Circulator』より“アルカイック”。さすがに最後は既発曲だったが、バインの曲の数々をもっと聴きたいというので、終了と同時に熱狂的なアンコールへの拍手。田中もアンコールで出てきたときに「今日は寝てもらおうと思いまして」なんて冗談を飛ばしていたが、最後の最後は決めてくれました。バイン随一のファンキー・チューン“マダカレークッテナイデショー”。リーダーの脱退という悲劇を乗り越えて前進しようとした今のバインのグルーヴは無敵。死ぬほど踊ってバインのライヴは終了した。
確かに新曲の数々には本当にビックリしたが、初期の曲と新曲がほぼメインの今日のセットリストを考えると、彼らは「本当にしたいことは何なのか」ということを、このひたちなかで確かめたかったんじゃないかという気がする。秋には新曲もリリースされるので、その後の活動のなかで後々分岐点だったと言われるような、そんな貴重なライヴだった。

ということで、今日はすごく暑かったなか、みなさん本当におつかれさまでした。ただ、まだ明日の最終日があります。天気予報では明日も晴れの予定なので、明日もいらっしゃる方は今日の夜ゆっくりと休んで、ぜひ最終日のROCK IN JAPAN FESTIVAL 2003を思う存分楽しんでください。我々レポート班も、明日も引き続き新鮮な情報をアップしていきたいと思っております。では、お楽しみに!(古川琢也)

終演しても鳴り止まない拍手

「アンコール最高! カッコよかった!!」
大興奮の二人