くるりの時より心地よい風が吹き始め、日差しは強くなれども幾分過ごしやすくなったグラス・ステージ。そんな中登場するわ、リーダー西原の完全復帰をもってのグレイプバイン。いきなり豪快な音を鳴らし、場内を一喝。しかもそれが実に開放的で清々しい。前回のロック・イン・ジャパン・フェス出演時は、同じ昼下がりの時間帯、むしろ夜の深い時間にマッチしそうな渋いメニューとモードで挑んでいた。しかし今回は、真正面からのフェスモード。このジリジリと灼けながらも吹き抜ける風の心地よさの中で、“SUN”“ナツノヒカリ”“君を待つ間”と怒涛の「夏」三連発を叩きつけてきたのだった。特に初期の名曲“君を待つ間”の瑞々しさは、今も全くマジックを失っていない圧倒的な開放感だった。そして後半戦、今度はさらにスケール感を増した重量級のブルージー・サウンド“Ｂ．Ｄ．Ｓ．”で場内をグイグイ横に揺らしまくる。と、まさにそのときドラゴンアッシュの降谷くんがフィールドに現れ、それに気づいた観客たちが一瞬騒然とし始める。しかし、そんなの全く気にもしない降谷くん、バインの演奏をバックにフィールドの誰よりもゴキゲンに踊りまくってました。偉い！　しかもゴミを自分でしっかり分別して捨ててました。さて、ステージの方は“Ｒ＆Ｒニアラズ”のソウルフルなボーカル＆ファンキーなオルガンで軽快にグルーヴを生み落とし続け、続く“南行き”ではラフでねちっこいサザン・ロックモードを爽快に披露。ラスト・ナンバーで田中のヘヴィな内面性・歌心でじっくり締めながらも、今日のバインは完全なる夏・開放ヴァージョンでの勝利でした。いやー、マジでいつの間にこんなにフェスが似合うバンドになったんだろう？（14：50　GRASS　STAGE）