解放の物語『さいはてにて』
2014.12.08 22:10
永作博美と佐々木希主演、台湾出身の新鋭女性監督チアン・ショウチョンが手がけた『さいはてにて-やさしい香りと待ちながら-』を観ました。
能登半島の最北を舞台に、縛られていたものから解放され自分に還っていく女性たちの姿を、チアン監督が優しく幻想的にとらえたこの作品。再生への静かな戦いを描いたら右に出る者はいない永作博美もさることながら、佐々木希のやさぐれママっぷりも新鮮で、ヒリヒリと痛くて切ない。「誰かのために」をがんばらないでできる場所という、どこにでもありそうで見つからないものを丁寧に描く『さいはてにて』は、強いられるでもなく、勝手にいろんなものにがんじがらめになっているこじらせ女子の心に特にぐっと刺さるはずです。(川辺)