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    米津玄師、昨晩の「はうる」と『かいじゅうずかん』と“love”について

    米津玄師、昨晩の「はうる」と『かいじゅうずかん』と“love”について

    明日発売になる米津玄師の単行本『かいじゅうずかん』を読みながら、彼が、これらの「かいじゅう」たちを夢中で描き続けた日々に想いを馳せた。
    人間って何だ。
    自分は人間なのか。
    他のみんなは人間なのか。
    全部わからなかった。
    だから人間の要素を持っているけれど人間じゃない、人間以外に分類された種でもない、「かいじゅう」としか呼びようのないものを描き続けて、自分と他人と人間を「知る」ことに少しずつ近づいていった。
    そして彼が知ったのは「愛」だった。
    この本にはそんな物語があり、付属CDに収録された新曲“love”は、「愛」を教えてくれた「かいじゅう」たちに感謝を捧げながら、彼らのいるところに別れを告げる、物語のエンディングテーマのように聴こえた。

    昨晩、Zepp Tokyoで観た米津玄師のツアー「はうる」のファイナルは、一言で言うなら「揺るぎない」ライブだった。
    そして、その「揺るぎなさ」は『かいじゅうずかん』の物語と繋がっているように感じた。
    アンコールのラスト“ホープランド”のアウトロで「かいじゅう」のような声で自らが叫ぶまでの物語を、米津は何の迷いもなくライブで紡いでいるように見えた。
    大きな物語の終わりと大きな物語の始まり、常にその両方を今の米津玄師のすべての活動と作品から僕は感じる。
    来週、久々のインタビューでアニメ『3月のライオン』の第2期エンディングテーマ“orion”のことも含めてたっぷり聞く予定。
    “orion”については、またじっくり書きます。(古河)
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