「唐揚げ洗える? レモンするってことは不可逆なの。二度と元には戻れないの」
ドラマ『カルテット』の第1話で高橋一生が演じる家森が、みんなで唐揚げを食べるときに当たり前のようにレモンをかける行為について抗議したこのシーンは、「何で唐揚げを食べるだけの、さほど意味のないように思えるシーンをあそこまで引っ張るのか」「『不可逆』とか食卓で言い出すやつ面倒くさい」「唐揚げにはレモンしたほうが美味しいじゃん」と、ときには「きのこの山」「たけのこの里」戦争並に終わらない議論に発展しながら物議をかもしました。
でもやはりこのシーン、話数が進むに連れてレモンのように沁みてきましたよね。
本日、配信リリースされた椎名林檎が作詞作曲を手がけ、主演の4人(松たか子、満島ひかり、松田龍平、高橋一生)によるユニット・Doughnuts Hole(ドーナツホール)が歌う主題歌“おとなの掟”にも、このドラマを読み解くヒントが散りばめられています。
「すき」とか「きらい」とか「欲しい」とか白黒つける台詞は、おとなの掟を壊す滅びの呪文で、一度それを唱えてしまったらこの4人の関係は不可逆、二度と元には戻れない。
秘密を守って白黒つけないまま、どこまで自由なグレーの世界を4人が保つことができるのかの「みぞみぞ」する緊張感を楽しむのが、この『カルテット』なのですね。
「唐揚げ」そのものについては、とりあえず横に置いておくことにしましょう。
というわけで今日は火曜日。
第4話予告編動画をどうぞ。
(古河)
Doughnuts Hole“おとなの掟”配信開始、そして今日は火曜日です
2017.02.07 12:45