ドラマに映画に舞台にと、どんなフィールドでもその魅力を遺憾なく発揮する中村さんの次なる出演作は映画『宇宙人のあいつ』……ということで、土星人役です(笑)。
「土星人ってなにごと!?」と思わずツッコミつつ、「いや、でも確かに中村さんこそが"(人を)惑(わす)星”からやってきた方……」と妙な納得の気持ちを抱きながら、お話を伺いました。
インタビューの一部を抜粋してご紹介します。
『宇宙人のあいつ』は、過去何度もタッグを組んできた飯塚健監督により、コメディ全開ながらハートフルな展開に胸が熱くなる、家族をテーマにした作品。「笑えまくるのにあったかい」、そんなどこか照れ隠しのような作品の演出についてはこんなコメントも。「(世間のイメージを)裏切ろうとなんてしなくても、僕の影踏めないでしょ」って思います。それは、僕っていう人間がすごく裏腹だったり天の邪鬼だったり、つかみどころがなかったりするから。きっと意図的に裏切ろうとしなくても、自然とそうなってるんじゃないですかね。もっと言えば、期待を裏切らない、世間の期待通りみたいなものが続いたとしてもそれも構わない。ずっと”いいおっさんの役“が続いたとしても、作品や共演者によって与える印象は変わるだろうし
出演していた舞台『ケンジとトシ』の千秋楽後の取材日、さっぱりとした短髪でカメラ前にいらっしゃった中村さん。僕自身、直接的な表現よりも、テーマとか伝えたいことが一見描かれてないのに感じられる、というほうが観ていて好きですね。そういう作品のほうが説教臭くないので。僕自身の性格もそういうところはあると思います。真面目なことをただ緊張感を持って真面目にやるっていうよりも、どこか遊んでいたいし――遊んでるほうがいいよなっていうのが、作り手としても人としてもあります
余計なものを加えず、今、この瞬間そこに居る姿をとらえるような撮り下ろしポートレイトになればと撮影に挑みました。
佇まい、目線を外した表情、こちらをスッと見つめるまなざし……たっぷりお楽しみいただければと思います!(田中春香)
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