『アバター』がヒット!

『アバター』がヒット!

YAHOOニュースで昨日日本で公開されたジェームス・キャメロンの『アバター』が初日だけで4億円以上を記録し、100億円超えが射程内というニュースが報道された。これは嬉しい。今出ているCUTの編集後記でもちょっと触れたけど、最近洋画の興業がいまひとつぱっとしなくて、こういうハリウッド最高峰のクリエイティビティがつぎ込まれた「ヒットするべき大作」がちゃんとヒットするのは、本当に嬉しい。アメリカでも、原作ものでも続編でもない映画としては異例の大ヒットを記録しているらしい。よかったよかった。

というか、この「原作者でも続編でもない」映画というのによる不安は本当に大きい。特に主人公が見た感じは“かっこいい”と思えないどころか、とても感情移入できそうでもない、あの青い宇宙人キャラだけに。果たしてこの洋画不況の日本でどこまで、“ジェームス・キャメロン”や“全編3D”というキーワードが届くか、正直、わからなかったけど、観客が見事にそれに応えてくれたのだ。そもそも、この映画、全編3Dというのが物語っているように、映画館で観なければ、その全貌を体験できるものじゃない。ホームシアターやDVD、インターネットの普及、および他の娯楽の充実により、映画館離れが騒がれているが、工夫をこねて、ちゃんと時間をかけて作ると客はついてくるのだ。それは映画好きとして、単純に嬉しいことだし、今後の映画界に大きな希望をもたらすものでもあると思う。

で、関心の内容はというと……期待を裏切ることはないでしょう。恋愛あり、アクションあり、わかりやすい問題意識ありという、キャメロンの集大成とも言える物語は、特にギミックがなく、実にストレートでオーソドックス。そこに物足りなさを感じてしまう人もいるのかもしれないけど、そのためまるでクラシック映画を観ているような感覚に陥り、高度な技術がめちゃくちゃ栄える。そして展開も実にわかりやすいため、特に疲れることなく2時間40分という長時間を過ごせるし、いつの間にかあの青いのも気にならなくなるのだ。キャメロン巧すぎ。(内田亮)

(C) 2009 Twentieth Century Fox
CUT 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする