どうすんの、この傑作。

どうすんの、この傑作。

最近は、どの映画サイトを観ても、どんな映画関係者と話しても、『ソーシャル・ネットワーク』やばい!ってことばかりだったりする。

まあたぶん実際ものすごい映画なんだろう。
ただ、こうも思うわけです。

いや、だって、フィンチャーだもん、そりゃ傑作だろう、と。
そんな騒ぎ立てることもないだろう、フィンチャーはいつだって傑作を作ってきたでしょう、と。
だから、先日の内田のブログ(http://ro69.jp/blog/cut/41078)を読んで、その熱さはさすがに異常じゃね?と思ってたわけです。

だから、私は、「いつもの」フィンチャー映画を見るつもりで、「まあどうせ傑作なんだろうなー」くらいの気分で試写会場に行ったんですよ。
ええ、行ったんですけども……。

あの、ほんとごめんなさい。
びっくりしました。
傑作でした。さすがフィンチャーとしか言いようのない、ガチの傑作でした。
ていうか、これ、本当に10本に一本の大傑作じゃねえか!!!!!!

一言でいうと、「ハーバードの天才学生たちによる、IT新撰組物語」みたいな話。
だから、すんごいロマンがある。
一攫千金の夢がある。
ただ、実はむちゃくちゃシビアな人間関係による摩擦がある。
嫉妬と自己顕示欲と独占欲と友情が交錯し、全員が全員そのバランスを少しだけ欠いてしまったがゆえの悲劇がある。
最高に鋭い、何度もひざを打つような、そしてどこかで使いたくなるようなセリフの応酬がある。
それを200%の精度で見事に具現化してしまっているキャストのアンサンブルがある。

トレント・レズナーによる、不穏で不安定で、だけどメチャ饒舌に映画を物語ってしまう飛び切りのスコアがある。

ていうか、おそらく『ソーシャル・ネットワーク』には、映画として欠けているものがひとつもない。
2010年代の『ゴッドファーザー』だ!なんていう声もありますが、本当にそう思う。
2010年のハリウッドで、『ゴッドファーザー』的な人間ドラマ、闘争譚をやろうとすると、『ソーシャル・ネットワーク』になるんだと思う。

原作も読みたい。
また何度でも観たい。
本当にそう思わせてくれる映画。

というわけで、CUTは次号以降、ガッツリやらせて頂きます。
これを盛り上げないとちょっと後悔しそう。
結局つらつらと書き連ねてしまいましたが、この続きはまた誌面にて!(小柳)
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