『ヒアアフター』は、とてもイーストウッドな映画。

『ヒアアフター』は、とてもイーストウッドな映画。

クリント・イーストウッドの新作『ヒアアフター』を観てきた。

とにかく手堅い。
めちゃくちゃ丁寧に作られているし、ストーリーテリングのうまさはさすが。
ピーター・モーガンの脚本もいいのかもしれない。

『シックス・センス』ばりのスピリチュアル・スリラーなんて触れ込みもあったんだけど、で、実際、「死後」(=ヒアアフター)の世界との交信をめぐる群像劇だったりもするので、スピリチュアルという意味ではがっつりスピリチュアルなこの映画。
ただし、そんなスーパーナチュラルな現象を扱いつつも、メッセージとしてはお得意のイーストウッド節、つまり「死って、人生って、人間って何なんだろう――って、いろいろ考えてみたけどやっぱり素晴らしいよね、人生って!」という、力強い人間賛歌になってる。

そういう意味では、どっからどう観てもイーストウッド映画です。
とってもいい映画です。
ただ、びっくりしたのは、(いろんなところでもすでに言われてるけど)冒頭の津波のシーン。
めちゃくちゃ贅沢なCGが使われてて、ここだけ観たら完全にローランド・エメリッヒなんだよなー。

あと、あらためて気づいたけど、イーストウッドって子供(とか青年とか)の演出がうまい!
今回も、双子のまったく無名の子役がフィーチャーされてるんだけど、そのパフォーマンスが素晴らしかった。
マット・デイモンが気味悪いくらいに安定しまくってるぶん、その子たちの演技がやたらと染みた。

公開は2011年2月19日。この映画はCUTでもきっちりフォローしていきたい。(小柳)
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