『少女ファイト』は傑作だと思う。


ことあるごとについ読み返してしまうマンガはけっこうあるんですが、もっとしっかりしなきゃいかんよなーとなんだか落ち込んでいるときには日本橋ヨヲコのマンガを読むことが多い。
彼女の作品においてまず際立っているのは、ぱっと見スタイリッシュで、だけどその実、いろいろごまかしようのないガチンコの絵だと思うんですが、読み返せば読み返すほど、この人の書くセリフはほんとにすごいなと思う。
いや、もともとその暑苦しいくらいのセリフは人気の要因のひとつではあったけれども、で、わたくし、今年32歳なんですが、そんな疲れた歳になってもここまでがっつり響くものであり続けてくれるとは正直思っていなかった。
だから、読み返せば読み返すほど、うーむ、すごい、と頭が下がるような思いに駆られるのだ。
「特別な人間なんていねえんだよ、そいつが何をやってきたかが特別なだけだ」とか、そりゃわかっちゃいることではあるけれども、読むたびにくるものがある。
そのセリフを誰が言うのか、だけじゃなく、それをどのタイミングでどういうプロットのなかで誰に向かって言わせるのか。
そういうひとつひとつの微細な設定とキャラクターの描き込みが尋常じゃないがゆえにその普遍性が生まれるんだろうし、それはやっぱり作家自身がキャラクターたちに捧げる愛以外なんでもない。
日本橋ヨヲコ先生には一度インタビューさせてもらったことがあるんだけど、また今こそ伺いたいことがたくさんある。

そんな彼女の最新作は『少女ファイト』で、先日8巻が発売されました。いいです。気合入ります。日々に疲れている方こそ、ぜひ。
たまにはマンガの話でも書きたいなーと思ってこんなエントリーをしてみました。(小柳)
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