本日発売のCUT10月号で、9月27日公開の映画『Cloud クラウド』主演の菅田将暉さん×黒沢清監督の対談記事を展開しています。
ヴェネチア国際映画祭やアカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品にも選出された『Cloud クラウド』は、知らない間に恨みを買い、“闇”に飲み込まれていく転売屋・吉井(菅田将暉)の「日常」を追うサスペンス・スリラー。黒沢監督は『Cloud クラウド』の構想の始まりについて、「暴力沙汰とまったく縁がないような人たち同士が、最終的には殺す/殺されるっていうのっぴきならない関係にまで至ってしまうようなアクション映画を撮りたいと思った」と語ってくれました。そんな黒沢監督と、主人公・吉井を演じた菅田さんは本作が初タッグ。映画人同士によるインタビューを、以下、一部抜粋してお届けします。
──映画を拝見して、吉井って「こういう人だ」と形容するのが難しい人物だと感じたんです。この空気感や人物像を、監督と菅田さんの間でどうやって共有されたのかなと。最初は黒沢さんとふたりでほんとに他愛ない会話をさせてもらったんですけど、そこで吉井という人のトーンというか──やっていることは悪事かもしれないし人を傷つけていることなんだけど、本人はいたって真面目に取り組んでいるとか、それが客観的に見たらひどい行為にも見えるしユーモラスにも見えるとか──その佇まいみたいなものの擦り合わせをさせてもらいました。そこで「こういうことかな」って思えたので、あとは基本的に、現場に行ってみて作っていった感じです(菅田)
初タッグとなった菅田さんと黒沢監督ですが、現場でのコミュニケーション含め、おふたりの気質が合っていたことが伝わってくるインタビューになっていると思います。そんなインタビューの全文は、ぜひ誌面にてご覧ください。まあでも、映画を撮る行為自体がそういうものですからね。一瞬にしてできるものじゃなくて、ひと月ぐらいかけてやっておりますから。最初は僕もわかんないです。作ってる側として変な言い方なのかもしれませんけど──わかってもつまらないんですよ。「次、吉井何するんだろう」って僕自身が思っている。自分で脚本書いていても、菅田さん演じる吉井がそこに出現するのは初めてですからね。「あ、吉井こうするんだ、なるほどね」という発見があるほうが、予定通りより全然面白い。映画の人物って、その発見の連続でできあがっていくものなんです(黒沢)
そして合わせて必見なのが、『Coud クラウド』の世界観を彷彿とさせる、どこかひりついた空気が伝わる撮り下ろしフォト。映画の公開を待ちながら、CUT10月号もお楽しみいただければ嬉しいです。(山下茜)
CUT10月号は現在以下にてご購入可能です。