細田守最新監督作『おおかみこどもの雨と雪』 について

細田守最新監督作『おおかみこどもの雨と雪』 について

先日発表された、細田守の最新監督作『おおかみこどもの雨と雪』。
自分も監督が出席された発表会に行ったんだけど、これ、かなり期待できそう。
狼男と恋をして、ふたりの子供(狼男と人間のハーフ、つまり“おおかみこども”)を授かった女性の物語だが、この作品の面白さはそこにあると思う。
つまり普通この設定だったら、“おおかみこども”たちが活躍するファンタジー物語というのが妥当に思えるが(タイトルもそれを示唆するものだし)、主人公はあくまで人間の母親なのである。
前作『サマーウォーズ』では、結婚して初めて知った複雑な親戚付き合いが物語のヒントとなったと語っていた監督だが、今回は別に子供が生まれたから作った物語ではない。そもそも監督に子供はいないし。
だが、やはり結婚を経て、自然と“親心”が芽生えた所以の作品であることは間違いなさそう。

ここで、ふと思うのは去年われわれは“親目線”から描かれた素晴らしいアニメ作品に出会ったこと。
『トイ・ストーリー3』。
ウッディは正確には親ではないが、それでも、これまで自分が育てたと自覚しているアンディと“子離れ”することがこの映画最大の感動であることは言うまでもない。
『おおかみこどもの雨と雪』にそのような感動があるのかはわからないが、子供がふたりいる親として、自分はそれに期待したい。
公開は来年の7月。待ち遠しい。(内田亮)
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