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    ハリー・スタイルズはなぜ我々の"楽しみ"にして、時代の寵児なのか

    ハリー・スタイルズはなぜ我々の"楽しみ"にして、時代の寵児なのか

    聴いてますか? 言わずもがな元ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズ、ソロ・アルバム『Harry Styles』。リリースから1週間が経ちますが、未だにヘビロテです。

    世間がざっくりイメージするところの「1D印」とは180度違って、落ち着いていて大人で、メロウでもある本作。だけどそんな印象とは裏腹に、はっきり言ってこのアルバム、めちゃくちゃ楽しい。突っ込みどころが満載で、これぞハリー!さすがハリー!……と、いちいち嬉しくなってしまうのだ。

    "Sign Of The Times"が先行公開された際、英メディアがデヴィッド・ボウイの名前までをも引き合いにした際には「ブチ上げたなっ!」と思わなくもなかったものの、この『Harry Styles』は、ハリー・スタイルズが、もはやSNS時代の先にいる、必然のスターだということをつぶさに伝えてくれる。

    SNS時代、それはつまり、有名・無名にかかわらず誰もが情報やクリエイティブを発信できる時代。

    しかし今は、SNSというツールを使って、いかに「なりたい"自分"になり、人に認知してもらうか」という時代。

    だからこのアルバムでハリーが、自由奔放に、そして非常に完成度高く、ベックになりミック・ジャガーになりウィルコ(はさすがに遠いかな??)になる(カリカチュア化を含めた軽やかさで)さまは、人々をとらえて離さないのだと思う。

    ハリーのアルバムは目下英米で大成功中。つい先日、今年のUKアルバム&ストリーミング・チャートの記録を更新、爆走していたエド・シーラン『÷』セールスをハリーが上回ったのが報じられたし、ビルボード『Hot 100』も1位獲得が見込まれている。

    ハリーの魅力がジェンダーレスだというのもポイント。今やセルフブランディングのアイコン/スターは、「"僕”だけ」「"私"だけ」のものじゃないからだ。

    なりたい自分になる、ということを、こんなに身軽に、でも素敵にやってくれるハリーはやっぱり最高だ。


    ……なんて書いてたら、リアム・ペインのソロ曲も発表に!ミーゴスのクエイヴォをフィーチャー!アツい。

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