ポール・マッカートニー、アトムス・フォー・ピースなどなど、必見ライブが目白押しの今週。今日はフランツ・フェルディナンドを観にZEPP東京へ。
ものすごいライブだった!!
ロック・バンドがポップ・ミュージックをやることの意味、楽しさ、強さの全てが揃った、見本のようなライブだった。型通りにぴしっとロックして時々ロールしてダンスする。その基本の模範フォーマットに、足し算、引き算、掛け算を駆使していくという、超クオリティの高いエンターテイメント。”ウォーク・アウェイ”みたいに歌もの的な、クリシェに転びそうな曲もぎりぎりのところでシャープに見せていたし、”アイ・フィール・ラヴ”を入れての"キャント・ストップ・フィーリング”はじめ、もはやリミックス、再構築のレベルで代表曲を乱れ打ち。ていうか”ドゥー・ユー・ウォント・トゥ”が始まってからもまだまだキラーチューンばっかりで、フランツってそうそう、名曲ばっかりなんだ!!
フランツも他の多くのバンドと同じように山あり谷ありだったバンドだ。「フランツらしくない」とされるアルバムもあった。でも、アルバムごとに確固たるテーマを設けてポップ・アートとして実践することは決して忘れなかった。だから、こうやって時が経つと、いい時期の曲もそうでない時期の曲も、まるで昼と夜のように表情を変えてフランツの「今」へと集約され、新しいアートとして成立する。それはそれは潔く、格好よかった。
00年代、特にその後半に一世を風靡した分かりやすいロックのジャンルというのは正直ない。すべてが総ポップ化した中で生き抜いたバンドの本質、それがフランツの今日のライブにはあった。