奇跡の来日。武道館のblur、それはあらゆる意味で特別すぎた
2014.01.14 23:15
ブラー来日@武道館公演、観てきました。ウェストウェイが映し出されたバックドロップ、グレアムがいること、再結成ツアーが遂に日本にも……といった諸々の要素はもちろん、武道館にブラーがいる、ただその事実だけでぐっときてしまう。
加えて今日はレアな“Young&Lovely”もやったり“Coffee&TV”でデーモンがコーラス隊に加わったりアンコール前でグレアムと固い抱擁を交わしたり、ウィットとアイロニー満載のショーマンシップをあくまでハッピーに全開にしたりとブラーを引き受ける覚悟が半端なかった。もちろんそれは『パークライブ』の時点でも明らかだったが、それにしてもこうして世界各地をツアーし、新たにアルバムを作ったわけでもない再結成バンドがここまでエンターテインメントとポップ・ミュージックの現在形を提示するなんて驚異だと思う。”This Is A Low"、”The Universal"、”End Of A Century"などなど名曲を多数披露したが、個人的には、”For Tomorrow"、そして”To The End”は特に感極まるものがあった。
ブラーというバンドもまた、デーモン・アルバーンという希代の天才に拠るところが大きいバンドだ。今になってだから言えることかもしれないが、デーモン・アルバーンが90年代半ばから脳内で描き出そうとした万華鏡ポップが、バンドというフォーマットを逸脱していくことは予め決まっていたようにすら思う。だから”To The End”が内省的なアート性を保ちながら破格のスケールで鳴り響いたことは、現在のロック、ポップ・シーンにおいてもブラーの果たす役割の大きさを象徴していたんじゃないか。”Under The Westway"も素晴らしかったしやっぱり新作を……というのは勝手な願いなのかな。