レア盤紹介企画その9 最終回

レア盤紹介企画その9 最終回

第9回。これでおしまいです。

1989年のことです。
当時はバンド・ブームのまっただなかで、おそらく日本の歴史上で、最もアイドルのCDが売れなかった頃だと思います。
あのジャニーズですら、苦戦していたような印象がある。
おかげで、菊池桃子がラ・ムーというバンドを組んでそのボーカリストになったり、故・本田美奈子も「本田美奈子&WILD CATS」という全員女性のバンドを結成したりしていました。

で。そんな中、「山瀬まみロック化計画」というものがありましてですね。
当時バラドル(懐かしい言葉だ)としてブレイクした山瀬まみのCDを出す際、普通にアイドル・ポップス出しても売れない、でも無理やりバンド組ませても、先人たちを見る限り、どうも上手くいっていない。なら、ロック・ミュージシャンたちに作ってもらえばいいんじゃないか。
というような、事情だったと思われます。

というわけでできたのが、これ。山瀬まみのアルバム『親指姫』。
筋肉少女帯のメンバーだったピアニスト三柴江戸蔵(昨年、くるりでピアノ弾いていたあの人です)と、そのサポート・メンバーだった超絶速弾きギタリスト横関敦が、サウンド・プロデュースを担当。
COBRAのナオキ、ARBの白浜久、ZIGGYの戸城憲夫、聖飢魔?のデーモン小暮、ZIGGYのドラマー大山正篤、矢野顕子、パール兄弟のサエキけんぞう、SHADY DOLLSの塚本晃、筋少の大槻ケンヂ&内田雄一郎などが作品を提供。
2曲目の歌詞を書いている朝野深雪という人は、リンドバーグの“今すぐKISS ME”の作詞をした人です。
なぜか、SIGHT連載陣の泉麻人さんも、1曲作詞を手がけています。
「なぜか」じゃないや。思い出した。当時、山瀬まみと一緒にテレビ番組やってたんだ。「テレビ探偵団」っていう、三宅裕司や今の林家正蔵も出てたやつ。正蔵って、当時のこぶ平ね。何故かこの番組に限り、「海老名泰孝」って本名を名乗っていた記憶が。
あと、山瀬まみ本人も3曲、詞を書いている。

中でも、特にインパクト強烈なのは1曲目。作詞サエキけんぞう、作曲奥田民生の“ゴォ!”。オーケストラ・アレンジでやたら速いBPM。もう限りなく“大迷惑”に近い。
と、ユニコーン復活を祝いつつ、シメたいと思います。

って、シメてから思い出した。このCD、俺のじゃない。
十数年前、酔っぱらって、とある上司の家に泊めてもらった時、CD棚でこれを見つけて、借りて帰って、そのまんまだった。
その上司は、とっくに辞めて音信不通。
今からでもお返ししたほうがいいでしょうか、Nさん。

以上、1週間にわたって、レア盤特集をお送りいたしました。
お付き合いただいたみなさん、ありがとうございました。
では、明日から通常ブログに戻ります。
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