CaravanとGREAT3

CaravanとGREAT3

他の人のアルバムを聴くと、「確実に(自分とは)違うな」と思う。
っていうか、入ってる音にあんまり意味を感じないんですよ。
「ここでこのシンセの音が入ってることに、歌ってる人の精神性の
何が関係してるんだろう」と思った時に、関係してないんですよ。

ロッキング・オン・ジャパン1995年7月号、GREAT3がメジャー・デビューした時の、
片寄明人のインタビューの発言。
これ、山崎洋一郎がやったインタビューなんだけど、当時これを読んで、
音楽を聴いていて、そんなこと考えたこともなかったので、すごくびっくりした。
だから、今でもよく覚えている。
で、GREAT3の音を聴き直してみたんだけど、「なるほど、その音のひとつひとつが、
歌っている人のこういう精神性に結びついているのか」
というふうには理解できなくて、困った覚えがある。

ただ、今ならわかる。そういうふうに理解できなくても、聴いて、その音ひとつひとつに
関して、「この音はこうじゃなきゃダメ」と感じられるかどうか、という話だ。
ギター、ドラム、ベース、鍵盤などなどの、色々入っている音を聴いて、
「この音色で、このタイミングでこの位置にこれくらいのボリューム・バランスで入ってなきゃダメ」
と思える音楽なのか、それとも「なんでこの音なんだろう、
違う方がいいんじゃないか」、もしくは「別にこの音でもいいけど
違う音でもいいんじゃないか」と思ってしまう音楽なのか、ということだ。
っていうところでいうと、確かにGREAT3の作っていた音は、
徹底的に「こうじゃなきゃダメ」の塊だった。

こないだもちょっと書いたけど、Caravanのニュー・アルバム
「Luck and Pluck」を聴いていると、その片寄の発言を思い出す。
ほんとにこのアルバム、入っている音すべてに、ブレやあいまいさがない。
当然、歌にも。

このアルバム、ほとんど自宅録音で作られており、Caravan以外は
堀江博久しか参加していないが、前のアルバムには、Curly Giraffeこと
GREAT3の高桑圭が参加していた。ライブには、今も参加している。ドラムの白根賢一も。
そういえば堀江博久は、長年GREAT3のサポートを務めていた。
ちなみに、Caravan&Curly Giraffe名義で、「Fold it into Music」という
タワー限定のシングルを作ったりもしている。
なんかとてもよくわかる。

おまけ。
今、「ほんとにこのCD、堀江くん以外参加してないっけ」と
インナースリーブを見たら、3曲目のコーラスに、JUN SKY WALKERSの
宮田和弥のクレジットがあって、ちょっとびっくりした。
あと、ハミングキッチンのボーカル、イシイモモコが何曲かコーラスで参加。
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