ROCK IN JAPAN2夜目、「レンズ紛失事件」の話

ROCK IN JAPAN2夜目、「レンズ紛失事件」の話

ROCK IN JAPAN FES.2011のまっさいちゅう、えーと、あれ2日目
だったから、8月6日(土)の夜、21時くらいのこと。

クイックレポートの制作作業に忙殺されていたところ、
さっき「終演時の花火とかお客さんとか撮って来ます」と、
会場へ出ていった、エリアレポート撮影担当IT俵から、電話が。


「あの、僕の席んとこに、カメラの望遠レンズ、置いてありません?」

「え……(見てみる)……いや、ないけど」

「足元とか、PCの裏とか、そういうとこにも?」

「(見てみる)……うん、ないよ」

「……」

「……あ! もしかして、なくした?」

「……はい」


株式会社ロッキング・オンには、もんのすごい高性能な
一眼レフカメラが、2台あります。
これ、ほんとに、おそろしくきれいに写るのです。
まず社内共有で1台購入したら、それがあまりにもよかったので、
さらにジャパン編集部が専用で買い、それで計2台ある。
で、フェスの時は、社内共有をメイン、ジャパン編集部用を予備、
と、2台とも借りて、持ってくるわけです。
ちなみに社内では「スーパーカメラ」という、ちょっとどうかと
思うほど安直な通称で、呼ばれています。

で。つまり、そのスーパーカメラに、別パーツとして付いている
望遠レンズが、ない、と。

「……どのへんでなくしたか、心あたりあるので、探してみます」

という言葉で、IT俵の電話は切れた。
レンズ自体は、予備があるから明日からも大丈夫だけど、ただ、
このカメラ、大変に高価です。安い中古車よりも高いくらい。
で、本体ほどではないだろうが、レンズだけでも、安いはずはない。

「ねえ、あの望遠レンズ、いくらぐらい?」と、
フェス事業部デザイナー田中力弥にきいたところ、

「んー、バラ売りで買ったら15万くらいするかなあ」という返事。

「でも、なんで?」

「俵くんがなくしたらしい」

その瞬間、クイックレポート班全員から、「えーっ!?」って、悲鳴があがりました。


これ、始末書かな。いや、始末書もらってもしょうがないな。
そうすると弁償か? こういう場合、会社が社員に弁償させる
っていうシステムって、はたしてありなんだろうか?

……あれ? これ、もしかして、責任者、俺? 
じゃあ俺も弁償?
いやいやいやいや、ちょっと待て。
なんとかIT俵ひとりにおっかぶす方法はないもんか。
どうせ、あいつに金持たせといたって、CDと、ライブと、グッズと、
橋本塁のSTINGRAYのTシャツだのパンツだのを、
片っ端から買うぐらいの使い道しかないんだから。

などと、クイックレポート作業をしながら、
頭ん中が大変に慌しいことになる私。
その後、30分以上が経つが、IT俵から連絡はない。
こっちから電話をかけても、終演後で回線が混み合っていて、つながらない。
だから連絡がこないのか。それとも、まだレンズがないのか。

どうやら、後者みたいだな。
と、誰もがあきらめかけた頃、メールが届きました。

>レンズありました!

ああ、よかったあ。俺が弁償せずにすんでよかった。
で、「俵くん、レンズあったって」と、みんなに言ったところ、
「ああ……」とか「よかったですねえ」と、それぞれ口々に安堵する中、
ひとりだけ「えーっ!?」って、「つまんねえそれ」感丸出して、
声をあげた奴がいました。

ロッキング・オン編集部の松村でした。
私とどっちがひどいでしょう。松村だ、と、私は思います。


上が、その、レンズをなくした瞬間に、IT俵が撮っていた写真。
茶屋ビレッジにある照明みたいなオブジェみたいなやつです。
引きで、その全景を撮ったあと(このへん http://ro69.jp/blog/hyogo/56110 )、
アップも撮ろうと、地面に這いつくばったり転がったりしながら
シャッターを切っている時に、たすきがけにしていた
ショルダーバッグのフタが開いちゃって、そこから転がり出てしまったらしい。
で、そのあたりを探し回ったところ、誰もいなくなった芝生の上に、
ぽつんと落ちていたそうです。
そこまでして撮ったこの写真を、「引きはいいけど、寄りはいらないや」
って、ボツにしていたのは私です。
ということを思い出して、アップしてみたのでした。
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