役に立つ本の話
2012.05.08 22:00
「ビジネス本」とか、「仕事術」とか、「コミュニケーション術」
とか、「生き方本」とか、そういうので、何十万部とか何百万部とか
バカ売れしているような本、いろいろありますが、
読んでおもしろかったこと、ない。
まあまあだったことも、ない。
すんげえつまんねえ。
という事実に向き合うたびに、
「自分にとって役に立つそういう本は、ない」
という事実と、
「でもそういう本がすんげえ売れてる、ってことは、
それを読んでくそつまらんとしか思えない俺は、
編集者として大ヒット出したりすることは到底無理」
という事実を思い知って、大変にどんよりとした
気持ちになるのですが、
上のこの本、限りなくゼロに近い例外です。
つまり、読んでおもしろい、そういう本です。
「そこそこ ほどほど」の生き方/深澤真紀
中経の文庫 600円
深澤真紀。フリー編集者でコラムニスト。
最近では、フジテレビの朝のワイドショー「とくダネ!」の
金曜に、2週にいっぺんくらい出ておられます。
もうずいぶん前ですが、SIGHTにも、
インタヴューで登場していただいたことがあります。
この本に書いてあること、ほんと、書名どおり。
で、読んでおもしろいし、すんごい説得力だし、
そして、実際に役に立つ、これなら。
ただ、そういう、めったにない「仕事本」であり「生き方本」である、
ということは、どういうことかというと、イコール大変に
少数派である、ということなわけで、だからこの本、
実際に今、売れてるのかどうかはわからないけど、
ただ、書いてあること自体は、間違いなく
「今の時代だから響く」ことだと思います。