本当に集大成であり、群雄割拠のシーンを勝ち抜けるだけの強い楽曲が揃った快作だと思う。彼らの武器というのは、結成からすんなりメジャーデビューしたわけではなく、いろいろな経験を経て現在に至っていること。
特に小関竜矢(Vo.Gt)という人は葛藤や苦悩など様々なことを考えられるタイプだけれど、そこを包み隠さず、それでもなお《悲しみながらいく》(“戸惑いは週末の朝に”)、《悲しみのままハイウェイ上げてく》(“survive”)ところが説得力を生み、聴く者の心を動かすのだと思う。
音楽的にも、明るいコードをジャーンではなく、あえて暗く重い響きをチョイスし、それを速く歪んだサウンドでかき鳴らすことが、それでもなお疾走する感じを表現していたりする。
そんな武器に加え、インディーズ時代に築いた多くの引き出しも結実したよねという話をしてきました。
アルバム発売の直前には、TVアニメ「潔癖男子!青山くん」のオープニング主題歌に抜擢されたシングル『White』をリリースするなど快進撃真っ只中のBentham。ここからまたやってくれることでしょう。
記事は『ROCKIN’ON JAPAN』9月号に掲載。ぜひ!(秋摩竜太郎)
Bentham、勝ち抜く決意を込めた1stアルバム『Re: Wonder』を語る
2017.07.06 19:45