携えた痛みが、私たちとの絆を一層深くする――35.7、新曲“Hurtful”も冴え渡った自主企画ライブを観た!
2023.08.28 00:20
9月からギターのかみのはらが留学するため、しばらくはサポートメンバーを迎えてライブを行なっていく35.7。
かみのはら休止直前となる今日の下北沢SHELTERでの自主企画ライブは、メンバー不在の期間もそのあとも、バンドがもっともっと力強く走っていくことを確信させられるものだった。(35.7は「飛んでいく」「羽ばたいてく」っていうより「走っていく」ってのが似合う気がするの、私だけ?)
個人的なハイライトは、先日MVも公開された“Hurtful”。《誰も君にはなれない》という、おまじないにも呪いにもなりえる事実と共に、生きていく――タカハシがあの切実な声でそれを歌ったとき、集まったリスナーが振り上げた拳を一層強く握りしめたように見えた。傷に触れ合うようなその共感こそが私たちが35.7に惹かれる理由だなと改めて感じたし(“祝日天国”や“うそうそほんと”も、思えばそういうところが好きだ)、握った拳の強さが、リスナーとバンドの絆をもっともっと深めて、彼女たちをもっともっと走らせてゆくんだろうなと思えたのだ。
5ヶ月後には帰ってくるとはいえ、全速力で走るさなかのバンドにとって、メンバーが一時離脱するというのは大きな出来事だと思う。でも、そこで抱える寂しさや不安もきっとバンドの強さに還元されていくはずだから、心配は全然ない。というか、このタームを経てバンドがどうなるのか、むしろ楽しみすぎる(帰国後のかみのはらはもっと面白くなってるだろう、ってのも含めて)。
ゴーテンナナ、これからも追っかけます。(安田季那子)