台湾のシンガーソングライターLÜCY、その声が、メロディが、頭から離れない

LÜCYは、台北を拠点に活動する24歳のシンガーソングライター。2021年から本格的に音楽活動を開始。2022年5月には、もとより羊文学の音楽が好きだったというLÜCYからのアプローチをきっかけに、コラボレーション楽曲“OH HEY”をリリースしている。

さらに2021年の金音創作奨(Golden Indie Music Awards)で“Heaven.zip”が「ベストフォークソング賞」にノミネート、2022年にはバルセロナの音楽フェス「プリマヴェーラ・サウンド」へ出演、2023年には金曲奨の「最優秀新人賞」にノミネートされるなど、台湾のインディーズシーンを代表する存在だという。

……とプロフィールはこれくらいにして、LÜCYが今月リリースした最新曲“漂流木”を聴いてからというもの、その声とメロディが頭から離れなくなってしまったのでぜひ聴いてほしい(早朝の渋谷で幕を開けるMVも面白かった!)。


サウンドも、メロディも、LÜCYの声も、ぜんぶ気持ちいいのだ。
とにかくシンプルなバンドサウンドと、耳に余韻を残すポップなメロディ。木漏れ日が差し込むような、穏やかな風が吹き抜けるような、あたたかさと爽やかさを兼ね備えLÜCYの歌声。それらが互いにものすごい相乗効果を生み出している。

歌詞は英語と台湾華語なので、邦楽のように歌詞の意味がスッと理解できるわけではない。でも、LÜCYの歌声からは、思いや感情が伝わってくる。心を動かす歌声。私は“漂流木”を聴いて、「あなたはあなたのままでいい」と言われているような気がした。

無理に背中を押すわけではなく、後ろから静かに見守ってくれているような、やさしい力強さを秘めたLÜCYの声と曲。今こそ、このメロディが、歌声が、私たちには必要なのではないだろうか。(藤澤香菜)


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