ハンブレッダーズの曲を聴いていると、いつも言葉が目の前に浮かんでくる。
それは鋭く尖った明朝体だったり、ぐにゃぐにゃのゴシック体だったり、いろんな形をしている。
その形のバリエーションがますます増えたように感じたのが、今年2月にリリースされたアルバム『はじめから自由だった』で、そのツアーの本日Zepp Haneda公演では、言葉が音を飛び越えて肉体を持ち、僕らの心に直接コミュニケーションを取り始めたようだった。とにかく食らった。
ムツムロアキラのメッセージが凝縮された言葉、その言葉の密度をもっともっと高くするバンドサウンド。ハンブレッダーズの音楽が、固く強張った心を解きほぐしたり、逆にぺしゃんこになっていた心にふっと空気を入れたりして、それぞれの心をそれぞれの自由な形へと導いてくれる。至って自然な流れで。
そしてその自由とは、闇雲に解き放たれたものではなく、「制約がある中で見つける」もの。そんな本当の自由を、言葉と音でどストレートに伝えてくれるハンブレッダーズは、やっぱり最強で最高だと思った夜だった。(畑雄介)
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ハンブレッダーズはそのライブで、僕らの心を本当の自由な形へと導いてくれる
2024.05.22 11:30