サンボマスターが突きつける"NO"は、愛情に裏打ちされた何よりも優しい"NO"だった

サンボマスターが突きつける"NO"は、愛情に裏打ちされた何よりも優しい"NO"だった
「君にいてほしい」ではなく、少し遠回りして「君はいた方がいいよ」と山口は歌う。「君なんかいなくていい」に対する"NO"だ。"NO"を突きつけるロックンロールという武器を持って山口が歌うのは、あなたを悲しませるものに対する"NO"だった。

サンボマスターが「LOVE & PEACE」というロック史における超巨大かつ永遠のテーマを、大真面目に歌い続けることができるのは、その言葉に背を向けることのない覚悟と自分たちの音楽に対する揺るぎない信念があるからに他ならない。
先日、彼らのヒット曲「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」が配信25万ダウンロードを達成し、プラチナ認定を受けたというニュースを目にしたが、彼らのエネルギーの源は間違いなく「今ここで、対面で届ける」ことへの情熱だった。柏ALIVEから始まり、ファイナルの武道館まで全32公演を全力で駆け抜けてきた彼らは、ライブの場でしか生まれない化学反応を知っていた。

サンボマスターが「愛と平和」を叫ぶその背景には、泥臭い日常や痛み、悔しさが詰まっている。それを美化せずに、真正面から歌い続ける姿勢に触れたとき、そこに「生きる意味」を感じずにはいられなかった。(古閑英揮)
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