《あどけなく泣くから》の語感の気持ち良さで、冒頭から一瞬で心を掴まれる。昨年“Bunny Girl”が大ヒットした高校生シンガーソングライター・AKASAKIから新年早々に届けられた新曲“あどけ泣く”でも、キャッチーなメロディラインが光っている。
《どれだけの孤独を/いつまで数えるの》《薔薇の棘が刺すように》──歌詞にどこか哀愁を感じるフレーズが並ぶところには“Bunny Girl”と近しい世界観を感じることができる。以前JAPANの「Look Up!」のコーナーにコメントを寄せてもらった際には、そういった言葉選びについては自覚がなく、ただ自分が「いいな」と思った言葉を入れていると語ってくれたが、メロディに導かれた直感的な詞世界はこの曲においても「AKASAKI印」になっている。実体験ではないのだろうけど、その光景がパッと目に浮かぶような、でも生々しくはなくまるで違う世界の物語のように聴こえる。そんなファンタジー感が、聴く人の世代もシチュエーションも問わず、生活の中で自然と鳴ることができる理由なのではないだろうか。
3月には「高校卒業式」と題した初のワンマンライブも決まっている。これからアーティストとしてどんな活躍をしてくれるのか今年も楽しみだ。(有本早季)
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AKASAKIの新曲“あどけ泣く”に漂う哀愁とファンタジー感が心地いい
2025.01.18 19:00