連休最終日の昨日は、下北沢でcinema staffのレコ発ツアー初日。
全国を20ヵ所以上回るスケジュールで、ほとんどの場所をTHE NOVEMBERSと対バンする。不穏さとメロディの美しさを併せ持つバンド同士だから、きっとツアーを続けるうちにどんどん共鳴するんだろうと思う。
で、昨日は両方とも初日らしく気合い十分の演奏で最高に楽しかった。とにかくどちらのバンドもMCでいじったのが、今回のツアータイトル。
ミニアルバムの『Blue, under the imagination』(想像上の青)というタイトルに引っ掛けた、「〜想像上の辻〜」というツアー名なのである。「辻」とはcinema staffの、小さくて口下手で、でもステージでは人一倍暴れるギタリストの名前。ちょっと照れながらこのツアー名のウケっぷりを喜ぶ本人の姿は、なんかとてもシュールだった。
で、もちろんそれだけでなく、久々にガッチリ観たcinema staffの4人は、すごくライヴがよくなっていた。
単純に「成長した!」って言えばいいのかもしれないけど、もっと全員がバンドを俯瞰して、新たな余裕が生まれた感じ。ヴォーカル&ギター飯田の声が太くなって、歌が昔より全然前に飛んでくるのも大きいと思う。
あと、4人の暴れ方も変わった。前はもっと、突然全員が闇雲にのたうち回るバイオレントな暴れ方だったけど、少し抑えてもっと空気を読むようになった。このあたりもきっと、ツアーが終わる頃にはさらに変わってくるんじゃないだろうか。いまから楽しみだ。
ちなみにアンコール曲の最後、くだんのギタリスト・辻は轟音のカオスの中、壁づたいにお客さんの頭上を通って、会場出口のドアから退場するという荒業をかました。唖然としていると、横のお客さんが小声で「いやー、完全に想像以上の辻だったね……」とつぶやいた。うまいこと言われて、正直ちょっと悔しかった。そんな彼らのインタヴューは、JAPAN8月号に掲載されて発売中です! まだ読んでない方はぜひチェックを!(松村)