うわっ、音が襲いかかってくる。20年ぶりにリレコーディングされた『LUNA SEA』凄い! 大袈裟な比喩でなく、心臓がバクバクする。
マスタリング前も、歌の説得力やサウンドの迫力&疾走感、なぜこんなに「衝動」が溢れているのか!?と驚いたが、テッド・ジェンセンのマスタリングによって、さらにすごい立体感が実現している。
たとえば、地上から遠くにある月を見上げている感じだった“MOON”は、手が届きそうなほど近くに月が迫ってくる臨場感に震える。
SUGIZOのインタヴュー時に、たまたまこの曲をサウンドチェックしていてちょっとだけ聴かせてもらったのだが、その時点で既にすごい音像になっていて鳥肌が立って、なんか泣きそうになって困った。
黒服GIGをライヴハウスでやってた時、いつか武道館とかドームでやれたらいいよね、という夢物語を話していたと、Jがインタヴューで言っていた。まさか実現するとは思わなかったけど、とも。
そのあり得ない夢を年末にかなえた彼らにとって、
エクスタシーレコードからの1万枚限定ファーストアルバムを、「世界のバンド」となったLUNA SEAの演奏力で、世界最高峰のエンジニア=テッド・ジェンセンの手によって鳴らすことは、もう一つの夢だったのではないか。
どう考えても奇妙で、世界的に見てもここにしかあり得ない「異端」の音楽が、「王道」のロックアルバムとして堂々と鳴り響いていることに感動する。
SUGIZO、J、INORANの楽曲に、それぞれの音楽の原点が、よりはっきり見えるのもまた面白かった。
ホント何度聴いてもまた聴きたくなる、速効性も中毒性も高い名盤。
明日発売のJAPAN別冊付録のインタヴューでも、それぞれのメンバーが、自信に満ちた発言や聴きどころを語ってくれている。
3月16日発売まで約2週間!(井上)