毛皮のマリーズのラスト・ツアーを追った(宇都宮編)
2011.10.11 11:12
すばらしくカッコいいライヴだった! これはずるいでしょ!
「えっ!?ここで?」みたいなちょっとしたズレやノイズが毛皮のライヴにはしばしばあって、それが面白くもあり、「あー、もう」ともどかしくもあり、はらはらドキドキするのだが、昨日、ツアー2日目のHEAVEN'S ROCK宇都宮は、みんなが見たいマリーズがほぼ完璧な形でそこにいた。富士山、越川、栗本の順にステージに登場し、ジャーンと音を鳴らした瞬間から、最後に象徴的なSEが終わって客電がつくまで――。美しすぎて、カッコよくて泣けてきた。
「こんばんわ、毛皮のマリーズです。最後のライヴやりにきました。どうぞよろしく」
最初のMCはどこか淡々としていたが、次第に
「最後にぼくのハートにさわってー」とか「よく顔を見せてくれよ。よっく顔を見せてくれよ!」とか叫びながら、フロアと剥き出しで向き合っていた。
ヒロTに噛みついたり、「西くーん!」とギターソロで叫ぶ瞬間は、やっぱりぐっとくる。
これが「マリーズ・マニア」で観たかった光景なのかもしれないな、と思ってしまった。
終演後、西くんに「カッコよかったー!」と言ったら「でしょ?このバンド解散するんですよ」と彼らしいおセンチさと皮肉とが混じった言葉を吐いた。
「やっぱりずるいよねえ。こんなカッコいいままで」とヒロTについ本音を言うと「ですよねえ?」と笑っていた。
志磨くんは「初日のライヴはこうこうこうで、今日はこうだったので…」といつものように自分の頭の中の世界でいっぱいだった。
富士山さんはブログを写真を撮ろうとすると一瞬で剃刀を持ってきてこんなポーズを。
何度も見てきた毛皮のマリーズの風景だ。このブログでももう何度もアップしてきた。でも今日はやっぱりちょっとせつない。
次号JAPANに記事掲載します。(井上)