鶴の「IingNingGing(イングニングギング) TOUR 〜今までありがとう〜」のファイナルを赤坂BLITZで観た。

「ING」のさらに進行形。だから「I」と「N」と「G」にも「ing」がついちゃったツアータイトル。
そのとおり、今日のライヴは完成されたエンターテインメントであるのはもちろんだが、それを上回って彼らの感情の揺らぎがダイレクト伝わってくる、今この瞬間が凝縮された生々しいライヴだった。

先日発表されたように、彼らは来年2月に公開される映画『アフロ田中』の主題歌を担当、そしてこの映画を最後にアフロを引退する。すなわち今日のライヴがアフロでのラストライヴとなったわけだ。
観ていても、アフロ３人衆のパーティが観られなくなると思うと少し残念な気もしたが、秋野（Vo・G）が言葉を選びながらMCで話していたように「もっと近づきたい」と思うようになった故の決断だという。それは彼らの音楽への欲求がより前のめりに、そして新しいステージに上ろうとしているということ。その証拠に、今日披露した『アフロ田中』の主題歌"夜を越えて"は、疾走感のあるど直球なロックチューンで、ソリッドで筋肉質なサウンドに新たな鶴が始まる予感がしてならなかった。
途中、メロウなミドルチューンを連投し、なんだか卒業式みないなしんみりした時間もあったが、ラストは"愛しのハニー"で満員のフロア中をウキウキはしゃがせて鶴らしくハッピーに終了。

これまでの鶴、今の鶴、そしてこれからの鶴が交差するひとつの節目となった今日のライヴ。そこには、愛と感謝と決意とが溢れていた。
こちらこそ「今までありがとう」、そして、次に鶴がステージに立つ日を楽しみに待ちたい。（中村）