ひとりぼっちの少年と少女の、小さな祈りのような歌。
そんな『小さなリンジー』という作品が素敵だ。
1993年生まれの田中茉裕(タナカマヒロ)という、新人女性シンガーソングライターの1stミニアルバム。
発売は3月28日で、先日サンプル盤を頂いた。
高い歌声はちょっと鼻にかかっているし、たおやかな歌の他はピアノの旋律だけ。
シンプルな分、田中茉裕という人の生身の心身がダイレクトに出たクセのある音楽で、
フラジャイルな魅力と音楽的美意識がすでに迸っているので、
最初はコアな音楽リスナーからじわじわウケていきそうな印象。
繊細さと乱暴さが表裏一体になった美しさがあって、聴くうちに妙に心に引っ掛かり、だんだん熱くなってくる。
傷つくまいと虚勢をはりながら、でも目には大粒の涙を溜めて、明日をじっと見つめている。そんな雰囲気のある、いじらしい曲たちが並んでいる。
ここで鳴っているのは、まさに若さそのものみたい。
『小さなリンジー』は原石のような1枚だけど、
これからスケール感とポピュラリティを増したらさらに面白いことになるかも。
ちょっと気になる存在だ。
公式HPで全曲視聴できます。このジャケの雰囲気にピン!と来た人はぜひチェックを。
http://tanakamahiro.jp/
(福島)