新星ラッパーSALUのニューシングルが届いた。
『I Gotta Go/ホームウェイ24号』、6月20日（水）発売。
表題どおり両A面。いずれももちろん、BACHLOGICプロデュース。
2曲ともすばらしい。

“I Gotta Go”は月曜の朝の風景を描いた楽曲。
仕事に行かなきゃ、でも行きたくない、という憂鬱な気分を、
ブライトでゆったりとしたビートに乗せて歌う。

一方“ホームウェイ24号”は仕事から電車に乗って帰る途中、
疲れて「先が見えない」とため息をつきながらも
その先に「行こう」と前を向くまでを歌った曲。
心を優しくほぐすようなシンセの音色が気持ちいい。

どっちの楽曲もめちゃくちゃメロディックなサビがあって、
SALUが歌っている。彼の歌声のさりげない柔らかさを堪能できる。
リリックはちゃんと読んだわけではないけど、
どっちの曲もサラリーマンの心情を描きながら、
そこにもっと普遍的でポジティヴなメッセージが歌い込まれていて、
明らかに間口が広がっている。
アルバム『In My Shoes』の「新しさ」はそのままに、
より多くの人に届けようという意志が、曲からも歌詞からも伝わってくる。
SALUがもうひとつ、新たな引き出しを開けた感じだ。

（リスナーを選ばないという意味で）ポップなシングルなので、
ヘヴィなヒップホップ・リスナーやコア層の中には
反感や批判が生まれるかもしれない。
でも個人的にはそんなことはどうでもいい。
だって、トラックもメロディもラップも絶対にSALUにしかできない曲だから。
彼の画期性は少しも失われていない。
むしろ、しっかり大きな視野で勝負を挑もうとしているところに、
さらなる覚悟を感じる。
そのうちCSやラジオでもかかりはじめるはず。
一度聴けば、きっと耳に残る。

そのSALU、明日5月25日には恵比寿リキッドルームの2階に新しくできた
ギャラリースペース「KATA」にてライヴ。
MTVのイベントで、他の出演者は
Mr.BEATS a.k.a. CELORY、KEN THE 390、MOROHA。
このシングルの新曲もやるらしい。
現時点で、この先東京でのパフォーマンスの予定は見えていない。
気になる人は、ぜひ。（小川）