NHKホールで初めてコンサートをやったロックバンド、としても知られる甲斐バンドだが、まさにその伝説が刻まれた場所で、昨日、歴史的ライヴを目撃した。１月９日に発売されたセルフカバーアルバム『ＲＯＣＫＳ』を引っ提げてのツアー、東京公演。全曲新録、しかも「一発録りで約２日間で録り終えた」と甲斐本人もMCで語っていた作品だけに、バンド感ががっちり伝わってくる充実した演奏。ギターイントロのリフを聴いただけでむちゃくちゃ高揚する、これぞロックバンドの醍醐味だ。今年のCOUNTDOWN JAPANに出演した際も、レジェンドとしての圧倒的な風格と普遍的な楽曲で、初体験のリスナーに強烈なパフォーマンスを見せつけたが、ツインドラムによるドラマティックな演奏がホールに華やかに映えていた。

そして、何よりもセットリストが豪華すぎる！
大阪公演２ＤＡＹＳ（２月23、24日）があるので詳細は控えるが、初期代表曲やヒット曲、個人的に今この時代に一番聴きたかった曲もアンコールで演奏されてぐっときた。甲斐バンドの楽曲は、孤独な漂流者、というテーマが初期の頃から一貫して描かれているが、それがこの時代にも圧倒的なリアリティを与えている。

この３年ぶりのツアーは大阪でファイナルを迎えるが、４月７日には甲斐よしひろ還暦アニバーサリーとして、TOKYO DOME CITY HALLのライヴも決定している。
（井上）