キャリアの長いアーティストなら、今や出ていて当たり前のボックスセットですが、これの第1号ってディランの『バイオグラフ』ではないかと思う。
リリースされたのは80年代半ばの、LPとCDの両方出ていた時期で、
この作品もLP5枚組・CD3枚組の2種類があったのは覚えている。
タイトルから、単なるベストと思っていたら、そうではなく、
半分くらいが未発表曲や未発表テイクで占められており、
かつ、今までお蔵入りにしていたのが不可解な名曲・重要曲も多かったため、
高額商品にも拘わらず、アメリカのチャートで30位台に入るヒットになった。
この辺から、各社の過去の未発表音源チェック作業が、
始まったような気がする。
まぁ、彼の場合、良い曲を平気で没にする悪癖というか
自身へのハードルの高さと言うべきか、
いずれにせよ、そのへんのレベルがべらぼうに高いからこそ
“意義ある未発表曲集”が可能だったりするわけですが。
なお、1991年には
CD3枚組で全58曲が未発表曲・未発表テイクという
驚愕の作品も出てます。